当院の外来に受診される患者さんは 概ね不安と抑うつのどちらか、
もしくはどちらも抱えて来院されます。
私たちの生活の中で、『心配』と『不安』と『恐怖』 は一般用語ですが
医学的にはどの様な違いがあるのか?簡単にまとめてみました。
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| 心配 | 不安 | 恐怖 | |
| 重症度 | 比較的軽い | 中等度 | 強い |
| 対象 | 対象はある(主に未来の出来事) | 漠然としている | 明確な対象がある |
| 例 | 「失敗したらどうしよう」 |
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| 関係する脳の部位 | 前頭前野 |
扁桃体 + 前頭前野 |
扁桃体+ 前頭前野 |
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扁桃体は脳の側頭葉の奥にある小さな構造で 前頭前野は「本当に危険?」「大丈夫かもしれない」と冷静に判断し |
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| 役割 | 考える・予測する・計画する | 危険察知と警戒状態 | 危険への即時反応 |
| 重症度のイメージ | 「頭で考えている状態」 | 「全身が警戒している状態」 | 「非常ベルが鳴っている状態」 |
| 関連疾患 | 心配性(疾患の一歩手前) |
不安障害 うつ病・うつ状態 全般不安症 |
パニック障害 不安障害 恐怖症 |
| 治療の対象か? | 心配=通常は正常 | 不安=続けば治療対象 (生活に支障があれば対象) |
恐怖=強すぎれば治療対象 (生活に支障があれば対象) |
| 特徴 |
「心配」は、 人間が危険に備えるために必要な正常反応であり、 |
「不安」は、 特徴は |
“明確な対象” 身体では |
以上簡単にまとめてみました、これらのことを元に
患者さんの診察で 心配、不安、恐怖、抑うつ、などを聞き取り診察に生かしていきます
また 自記式心理検査
不安の評価:STAI GAD-7 LSAS-J CUDOS-A
抑うつの評価:SDS PHQ-9 QIDS-J CES-D K6などを活用して
治療の進展度を患者さんと共有して 治療を進めていきます。(共同意思決定SDM)
最近の外来では、「考えなくていいことまで考えてしまう」「常に最悪を想像して疲れる」「心が休まらない」という相談が増えています。
こうした状態が続く病気の一つが、全般不安症(GAD)です。
全般不安症は、仕事、健康、人間関係、家族のことなど、さまざまなことに対して過剰に心配し続けてしまう病気です。しかし症状の特徴から、「単なる心配性な性格」「真面目すぎるだけ」と考えられ、医療につながっていない方も少なくありません。
特に日本では「不安を我慢する文化」が強く、責任感が強い人ほど、「自分が弱いだけ」「考えすぎないようにしよう」と抱え込みやすい傾向があります。
ところが実際には、慢性的な不安によって脳が常に“警戒モード”になり、動悸、肩こり、胃腸症状、不眠、疲労感など、自律神経症状を引き起こすことがあります。
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そのような中、2026年3月23日、日本で初めて イフェクサー(ベンラファキシン)(SNRI)が全般不安症GGADの保険適応を取得しました。これは、日本でも「慢性的な不安は治療対象である」という考え方が広がってきたことを示す大きな変化だと思います。
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イフェクサーは、脳内のセロトニンやノルアドレナリンの働きを調整し、“不安を感じやすい脳の状態”を整えていく薬です。従来の即効性中心の抗不安薬とは異なり、「不安体質そのもの」を改善していく治療が期待されています。
もちろん治療は薬だけではありません。睡眠、生活リズム、運動、そして 認知行動療法(CBT)などを組み合わせることも重要です。
「性格だから仕方ない」と我慢していた不安が、実は治療可能な病気であることもあります。不安で疲れ切ってしまう前に、早めに相談することが大切な時代になってきています。
参照
1:院長ブログ:2026年3月23日、SNRIであるイフェクサー(ベンラファキシン)が「全般性不安障害(GAD)」の適応追加を取得しました。
2:全般不安症/全般性不安障害(GAD)患者を対象としたイフェクサーSRカプセル(ベンラファキシン塩酸塩)の国内第3相試験 (B2411367試験)結果

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