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手の震え

手の震えがある場合 その原因は何だと思いますか?  

当院には社会不安障害の患者さんが多く来院されています。

症状の1つとしての『手の震え』は

1:精神生理性の振戦が原因と思われます。


ストレス(緊張)は体を交感神経モードにします。
適度な交感神経モードであればいいのですが 過緊張は骨格筋を震えさせてしましいます。
治療:当院で行っている『セロトニン強化療法』によって平常心が向上し、マイナス思考が減り、
意欲が高まってきます。セロトニンリッチになり、成功体験が続くようになります。
そうなると、自分の心が変わってきます。
いつもは緊張していた場面でも動揺の幅が少なく対応出来る様になってきます。
 

2:緊張もしていない、むしろリラックスしている時の安静時振戦(あんせいじしんせん)パーキンソン病 もしくはパーキンソン症候群で起こる振戦と思われます。


これは脳の錐体外路が障害されるため、リラックスしている状態でも勝手に筋肉の
収縮と弛緩が起こり、震えが起こります。
1秒間に2-3回のリズム(2-3HZ)が特長。体を動かすとその振戦は軽減します。
手足や顔面、頚部に、自分の意志とは関係なく生じる振戦です。 
下口唇、下顎、足などの安静時振戦はほぼパーキンソン病 パーキンソン症候群と思われます。
またジストニアという疾患でも安静時振戦は起こります。(ジストニアは安静時でも運動時でも振戦は起こると言われています)
治療:パーキンソン病および症候群には原因に合わせた治療薬を、ジストニアは、トリヘキシフェニジル(アーテン) クロナゼパム(リボトリール) ジアゼパム(セルシン)カルバマゼピン(テグレトール)など。
ジストニアは神経内科の専門医での治療が推奨されています。
 

3:何かの動作をした時に引きおこる運動時振戦(どうさじしんせん) 


運動時振戦のうち目標に向かうとき増強する企図振戦(きとしんせん)と言います、これはコップを取る動作をすると手が震える、エレベーターのボタンを押すとき手が震える、スマホやタブレットの操作をするとき手が震えるなどの症状があるときの振戦 小脳の病気の可能性があります。
→脳外科、神経内科へ行きましょう。
 

 4:姿勢時振戦(しせいじしんせん) 


腕を上げるなど重力に逆らう姿勢をとったときに現れる振戦。
腕を身体の前に出してその姿勢を維持しようとしたり、箸やコップを持つ時、サインをする時などで
気づくことが多い振戦。これは本態性振戦の可能性があります。
(本態性振戦は家族歴が多いので、血縁関係のある方に同じ様な手の震えなどある場合、本態性振戦と思われます)
また、同じ姿勢をとり続けている時、重力に逆らって一定の姿勢を取っている時などにも
姿勢時振戦は起こります。
→βブロッカー(アロチノロール(旧 アルマール)・プロプラノロール(インデラル))・クロナゼパム(リボトリール)やアルプラゾラム(ソラナックス)などで症状が緩和します。
 

5:その他


その他の手の震えとして 睡眠不足 過度のカフェイン摂取  気管支喘息の治療薬(β刺激薬) 甲状腺機能亢進症などでも震えは見られます。

 

COVID-19の第8波が収束しつつある今、以前の生活が戻ってきました。 

これから皆さんは、人前に出る場面、緊張する場面、ストレスを感じることなど
多くなっていくと思われますが、手の震えは本人にとってはかなりなプレッシャーになると
言われています。

治る手の震えもあります。
ご心配な方は医療機関へ相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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