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GSM (閉経関連尿路生殖器症候群Genitourinary Syndrome of Menopause)


閉経後の快適な生活を行うために

人生100年時代。

昔の女性は閉経と同時に
寿命を迎えていましたが、
現代の女性の平均年齢は87歳

大幅に伸びているのに、
閉経の年齢は昔と変わらず50歳前後。

女性は閉経後の第二の人生を、
いかに健康で快適に生きていくかが
課題となっています。

その中で注目されているのが
GSMという症状です。

GSM(閉経関連尿路生殖器症候群:
Genitourinary Syndrome of Menopause)

とは、
閉経などにより女性ホルモンが
低下したために起こる泌尿生殖器症状のことです。

性器・泌尿器の話は
医療従事者に対しても
文化的にタブー視されがちですが
有病率は閉経後から1~6年で
64.7~84.2%
でかなり高率な
ポピュラーな疾患です。

フェムケア・フェムテックについて

GSMの原因は?

閉経後、卵巣機能の低下により
エストロゲンの分泌が減少することで  
以下のような変化が起こります
エストロゲンの作用について

1:膣粘膜の菲薄化(ひはくか・薄くなる)肌だけでなく膣も菲薄化が起きます、エストロゲンは膣の上皮細胞を分裂・成長させ、膣粘膜を盛り上げていますが、エストロゲン低下に伴い、真皮のコラーゲンやエラスチンの生成量が低下し膣粘膜の菲薄化が起きます。
2:膣の弾力性低下 エストロゲンが減少すると、コラーゲンの産生が減少し、膣の柔軟性が低下
3:外陰部や膣の血流低下 エストロゲンは膣や陰部への血流を増加させ、酸素や栄養を供給していますがエストロゲン低下により外陰部や膣の血流低下が起きます。
4:尿路組織の変性

これらが膣や尿路の健康に
影響を及ぼし、症状を引き起こします。

GSMの症状は?

中高年の50%!!
軽微な症状を含めると2人に1人に現れている症状と
言われています。

1:性器症状

  • 膣の乾燥感 (濡れない)
    (1:子宮内膜増殖能の低下 2:エストロゲン低下で小陰唇の張りが低下し
    萎縮→膣のフタ機能低下→膣口湿潤の低下→乾燥)
  • ニオイ
    (エストロゲン低下→グリコーゲンが減少し、
    それを餌にしている酸性のデーデルライン桿菌
    の減少
    による(pH3.8-4.5を保つ自助作用))  
  • かゆみ
  • ヒリヒリした灼熱感

2:下部尿路症状

  • 尿失禁(成人女性の25%に尿失禁があります)
  • 頻尿(日中8回以上・就寝中2回以上は頻尿)
  • 排尿困難

3:性交痛

  • セックスの挿入痛
  • オルガスムス障害
  • 性交後出血

アメリカで行われた閉経女性に対する調査で
約85%の女性が何かしらの不快な症状を
持っているにも関わらず、
医師に相談する人はとても少ないのです。

フェムゾーン(膣と外陰部)に
潤いがなくなると膣粘膜が傷つきやすくなり、
また雑菌が繁殖しやすくなります。

GSMの予防法

1. 日常生活での予防策

  ①潤滑剤や保湿剤の使用
  • 膣保湿剤:
    定期的に膣保湿剤を使用することで
    膣粘膜の乾燥を防ぎ、
    組織の柔軟性を維持します。
  • 性行潤滑剤
    性交時に潤滑剤を使用すると
    膣の摩擦を軽減し、
    痛みや不快感を予防します。
  ②性生活の維持
  • 性行為や膣挿入による刺激は
    血流を促進し、
    膣組織の健康維持
    に役立ちます。
  • 性的活動がホルモンに影響を与える
    ことがあります。
    例えば、性的興奮やオーガズムの際には、
    オキシトシンβエンドルフィンなどの
    ホルモンが分泌され、
    ストレスの軽減や幸福感の向上につながります。
  • セルフプレジャーとGSM予防の関係↓↓
1. 血流の促進

性的興奮時には外陰部や膣の血流が増加し、
組織に酸素や栄養が行きます。

血流の増加は膣粘膜の冷えを防ぎ、
健康な状態を維持するのに役立ちます。

2. 膣の弾力性の維持

定期的な膣のリラックスとは、
膣の柔軟性を保つのに効果的です。

セルフプレジャーによる膣の刺激は、
膣粘膜や筋肉の柔軟性を維持し、
萎縮を遅らせます。
骨盤底筋を鍛える効果にもつながります。

3. 自然な潤滑の促進

セルフプレジャーは、
膣腺からの潤滑分泌を刺激し、
乾燥の予防につながります。

潤滑が促進されることで、
膣内の摩擦や不快感を軽減する助けになります。

4. ホルモン分泌の刺激

性的な活動中には
βエンドルフィンオキシトシンなどの
ホルモンが分泌され、
リラクゼーションやストレス軽減を促進します。
オキシトシンはセロトニンの分泌を促進します。
セロトニンは最終的に
睡眠ホルモンのメラトニンに変わるため
睡眠の質も良くなります。

5. 性的満足感と心理的健康

セルフレジャーは性的満足感を高め、
GSMによる心理的なストレスや不安を
軽減する助けになります。

​​​​

  ③骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操
  • ゲーゲル体操など骨盤底筋を鍛えることで、
    尿失禁や頻繁な尿予防につながります。
  • 骨盤底筋トレーニング(アンチェア)なども
    効果的です!!
    (30分で約12000回のトレーニング効果ぴかぴか(新))

  

  ④正しい生活習慣の維持
  • 禁煙:
    喫煙は膣組織の血流を悪化させます。
  • アルコールの節度ある摂取:
    1日純アルコール量20g以下が推奨。
  • 健康的な食事:
    大豆製品(イソフラボン)やカルシウム、
    ビタミンDを多く含む食品を摂取します。
  • 十分な水分補給:尿路の健康維持に役立ちます。

2. 適切な膣ケア

  ①洗浄
  • 強力な洗浄剤や頻繁な膣洗浄は、
    膣内の自然なpHバランスが乱れ、
    症状を悪化させる可能性があります。

  • 外陰部の清潔を守る程度の
    やさしい洗浄に留める。



    当院で富田薬品株式会社から発売している 医療機関専売品(病院や薬局でしか購入出来ない)
    アンドディアーズが購入出来ます。(1本:3,500円税込)
     

    お試し1回分 100円(税込)

  ②衣類の選択
  • 通気性の良い天然素材(コットンや竹繊維)
    →通気性が良く、湿気を逃がしやすいため、
    外陰部や膣周辺の環境を清潔に保ちます。
    蒸れやかゆみを防ぎ、膣の乾燥や炎症の予防に効果的。
  • 吸湿性の高い素材
    →汗や湿気を吸収して外に逃がす素材
    (例:モダールや竹繊維)は、
    肌の乾燥を防ぎつつ快適さを保ちます。
  • 避けるべき素材
    合成素材(ナイロンやポリエステルなど)
    通気性が悪く、湿気がこもりやすいため、
    炎症や感染のリスクを高める可能性があります。

3. 運動と体重管理

  • 適度な運動
    血行を促進し、全身の代謝や
    膣組織の血流を改善します。
  • 体重管理:
    適正な体重を維持することで
    尿失禁や頻繁な尿リスクを減らします。

4. ホルモン関連の予防策

  ①局所エストロゲン療法の初期使用
  • 軽度の症状が出始めた段階で、
    膣用エストロゲンクリームや
    膣錠
    を使用することで、
    進行を抑えやすくなります。

    (局所エストロゲンは副作用が少なく、
    安全性が高い治療法です)
  ②植物性エストロゲンの活用
  • 大豆イソフラボンやレッドクローバーなど、
    植物性エストロゲンを含むサプリメントや
    食品を摂取することで、
    エストロゲン減少の影響を緩和します。
  • 当院ではエクオール摂取を推奨しております。

5. 定期的な婦人科検診

  • 定期的に婦人科検診を受け、
    膣や尿路の健康状態を確認することも大切

6. メンタルケア

  • GSMの症状に対して
    リラクゼーション法や
    カウンセリングを活用してください。
  • パートナーと症状や気持ちについて
    オープンに話すことも大切。

 

当院で行うGSM治療

当院で行っている治療は
1:「ホルモン補充療法」です。

女性ホルモン補充療法

更年期症状には
HRTなど女性ホルモンの全身投与
(外用薬・貼付剤・内服薬・注射)
が行われることが一般的です。

しかしGSMの場合は
全身投与より性腺ホルモンの局所投与
(膣錠や局所への外用薬)が効果的である
と言われており、デリケートゾーンに
直接使用すると多くの深い症状が改善された
との報告があります。

例)委縮した部分が改善した

  膣の細胞が元気になった

  膣に住んでいた乳酸菌が復活した

治療には「エストロゲン」が多く用いられますが、
「テストステロン」を使用する場合もあります。
ホルモン外用薬は有効性が高い分、
副作用もあるため定期的に医師の診断を受けて
正しく使いましょう。

当院で使用する女性ホルモンクリーム剤は 
バストミン 
 1本5g 3800円税込み 塗る頻度は
閉経後の方は週に2~3日程度
月経のある方は、生理終了後から2週間ご使用いただき、
その後、次の生理が終わるまでご使用をお休みします。

テストステロンを補充するクリーム剤は
グローミン
 1本10g 4100円税込み

→男性ホルモンの膣および外陰部へ影響
(乳がんの既往などでエストロゲンの使用が
禁忌となっている方には男性ホルモンは
選択肢
となります。
エストロゲン治療を行っている場合にも、
男性ホルモンを併用することで
相乗効果が期待できます。) 

男性ホルモンは膣や外陰部の組織には
アンドロゲン受容体が存在しており、
アンドロゲン(男性ホルモン)は
これらの受容体を介して
組織の維持や修復に寄与します。
そのため男性ホルモンは、
エストロゲンとともに膣上皮や
粘膜の健康を保つ働きをします。

男性ホルモン塗布で期待される効果

  • 膣乾燥:
    膣の潤滑を促進し、
    性交時の痛みや不快感を軽減。
  • 膣萎縮:
    粘膜の厚みを増し、柔軟性を改善。
  • 頻尿・尿失禁:
    骨盤底筋や尿道の組織をサポートし、
    尿路の健康を向上。
  • 性欲低下:
    男性ホルモンの使用により、
    性欲や性的満足度が改善する場合があります。

2:「エクオールの補充」

エクオールとは:大豆イソフラボンの一種である
ダイゼイン(Daidzein)が腸内細菌の働きによって
代謝されることで生成される物質です。
エクオールは天然の
「フェイトエストロゲン(植物性エストロゲン)」
として作用
し、
女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをする
物質です。

当院では「エクエル プチ
(小粒サイズで、1日2粒目安)を扱っています。

「エクエル プチ」は従来のエクエルに比べて約2/3のサイズとなり、
1日の摂取目安量2粒でエクオール10mgを摂ることができます。

気になる症状があったら、まずは医師にご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〒 810-0001

福岡市中央区天神1丁目2-12 メットライフ天神ビル4階 (2016年10月1日から天神122ビル→メットライフ天神ビルに変更 2017年10月1日で併記(移行)期間終了)

TEL:092-738-8733