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百日咳が流行中 皆さんご注意を!! 

NHKのニュースで全国的に百日咳が流行しているとニュースがありました。福岡はこの時点で全国5位!!(2025.4/14から4/20)

 百日咳とは:百日咳(ひゃくにちぜき)は、細菌(百日咳菌:Bordetella pertussis)によって起こる最近感染症で、激しい咳が数週間〜数ヶ月続くのが特徴です。
子どもに多い病気ですが、大人にも感染します。
皆さん3種混合ワクチン(DPT)を就学前(5~6歳)に一度、また11~12歳に定期接種の2種混合ワクチン(DT)を、百日咳成分を含む3種混合ワクチン(DPT)に変更して接種していると思いますが、百日咳ワクチンの免疫効果は4~12年で減弱するので 大人もご注意!!

咳が続くとした症状は一般的に 咳喘息と診断されることが多いと思いますが、持続する咳の患者さんの中に百日咳が紛れ込んでいるということを注意しないといけませんね。 

 

咳喘息と百日咳の違い

 

項目 咳喘息(Cough Variant Asthma) 百日咳(Pertussis)
原因 アレルギー体質、気道過敏性亢進(非感染性) 百日咳菌(Bordetella pertussis)による細菌感染
咳の性状 乾いた咳が長期間(8週未満~)続く、夜間・明け方に悪化しやすい 発作性の激しい咳、コンコンコン、ヒュー、嘔吐を伴うことも
痰の有無 ほとんど痰は出ない(乾性咳) 通常は乾いた咳、痰は少ない
咳以外の症状 喘鳴(ゼーゼー)、胸の違和感 微熱、鼻水、目の充血、咳後嘔吐
経過 数週間〜数ヶ月で慢性化することも 通常6〜10週間で自然軽快するが、特に乳幼児は重症化リスクあり
診断法 問診・気管支拡張薬への反応、呼気NO検査 PCR、血液検査(抗体価、白血球数増加)、咳の特徴
治療 吸入ステロイド、気管支拡張薬、抗アレルギー薬など 抗生剤(マクロライド系)、咳止めは限定的効果
感染性 なし 強い感染力あり(飛沫感染)
好発年齢 子ども〜成人、アトピー体質者に多い 乳幼児・学童〜大人まで(ワクチン未接種者に注意)

咳喘息は一般的になんらかの感染症の後に続く乾いた咳症状(特に夜間咳嗽で睡眠障害の原因となります)(アレルギーやウイルス感染後などが引き金となり、咳受容体が過敏になって発症)、熱発はありません、また人に感染することはないのですが、咳で肋骨骨折を起こす人もいるくらい辛い症状です。 

一方百日咳も咳が主体の疾患ですが 微熱がある、人にうつすこともあるため咳が続くときは是非
医療機関へご相談ください。 

同じ咳の疾患ですが 咳喘息は吸入ステロイド・百日咳はマクロライド系の抗生剤で改善していきます。 

   

また 咳が続くときの疾患として

マイコプラズマ肺炎 →頑固な乾いた咳、若年者に多い、微熱や全身症状も。
結核 →長引く咳(2週間以上)、喀痰・血痰、体重減少、夜間発汗。
アトピー咳嗽 → 好酸球性炎症が背景にあり、抗アレルギー薬が効果的。
気管支喘息 → ゼーゼー(喘鳴)、呼吸困難、夜間悪化。吸入ステロイドが有効。
後鼻漏症候群(PNDS)→ 鼻水が喉に垂れ込んで咳を引き起こす。起床時に咳が強い。
アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎 → 鼻づまり、くしゃみ、後鼻漏を伴う咳。抗ヒスタミン薬が有効。
胃食道逆流症(GERD)→食後・就寝時に咳、胸焼けや喉の違和感。胃酸逆流が原因。
ACE阻害薬の副作用 →服用開始後数週間で乾いた咳が出現。薬を中止すると改善。
心因性咳嗽   →ストレスや心理的要因で咳が出る。睡眠中は咳が止まることが多い。
心不全   →起座呼吸、息切れ、むくみを伴う。

たかが咳 されど咳ですね!! 

 

 

 

 

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