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イフェクサーSRカプセルが2015年12月8日に発売されます。

世界的には1990年代から使用されているイフェクサー(一般名ベンラファキシン)がやっと日本で使用が出来る様になります。

現在、気分障害(うつ病)や不安障害(パニック障害・社交不安障害・強迫性障害・PTSD)などの治療の中心は薬物療法と言われています。

具体的には
SSRI:1パキシル(一般名パロキセチン)・2デプロメール ルボックス(フルボキサミン)・3ジェイゾロフト(セルトラリン)・4レクサプロ(エスシタロプラム)などの選択的セロトニン取り込み阻害薬
SNRI:1トレドミン(一般名ミルナシプラン)・2サインバルタ(デュロキセチン)などのセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
NaSSA:1リフレックス レメロン(一般名ミルタザピン)のノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬
などが現在の治療の場面でよく使用されております。
これらの薬剤は、従来からの抗うつ薬であるトフラニール(イミプラミン)などに比べて、抗コリン作用(口渇、便秘など)や抗α1作用(起立性低血圧など)といった副作用が少ない特徴です。 今回のこのイフェクサー(一般名ベンラファキシン)は日本では3番目のSNRIです。

SNRIとは
セロトニンとノルアドレナリンの再取り込み(吸収・分解)を阻害(ブロック)するお薬です、簡単に言うと脳のセロトニンとノルアドレナリンを増やすお薬と理解してください。

セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンといった物質はまとめて「モノアミン」と呼ばれており、これらは気分に関係する神経伝達物質であります。

・セロトニンは落ち込みや不安を改善させ、平常心を高めます。
・ノルアドレナリンは意欲ややる気を改善させたり、痛みに関する作用があります。
・ドーパミンは楽しみや快楽を改善させると言われています。 

イフェクサー(一般名ベンラファキシン)はこれまで 1997年にスイスで承認されて以降、2015年4月現在、世界90カ国以上で承認されているものですが、ドラッグラグがある日本でもやっと使用されるようになりました。

当院でも臨床治験に参加致しました。この薬が日本で使用が出来る為のお手伝いをさせて貰いました。

米国の治療アルゴリズムでは、精神病性の特徴を伴わないうつ病治療の第一選択薬として推奨されております。さらに他の第一選択薬には反応しないか、または忍容性がないため治療変更を要する場合の第二選択薬としても推奨されている薬です。

実際に日本人に効果があるのか? これから臨床場面でそれぞれの専門医が評価をしていくのだと思います。 

患者さんの症状はそれぞれ違います。治療の反応性も人それぞれです。
治療の選択肢が一つ増えることで、それによって救われる患者さん・この薬を待っていた患者さんもいることだと思います。 お薬の力に負けない様に臨床医は患者さんを診ていかなければならないと思っております。




 




 

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