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7月病?!

いまだ新型コロナウイルスが世界で広がりを見せている現在
日本は2020年5月25日に緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだ感染の不安は続いています。
通常の生活が出来なくなり、自粛を余儀なくされた生活。

通常4月に新学期、新年度が始まり入学式・入社式で社会がスタートしていたはず!

その社会のスタートが2ヶ月前後遅くなり、これから7月病と言われる心身の不調の方が増えると予想されています。

 

 

7月病とは、今まで5月病と言われていた病態を指します。
医学的な診断病名としては うつ病・うつ状態・適応障害などに当てはまります。

 

  

 

 

それらは不安感や抑うつ気分、意欲や集中力の低下などの心の症状
不眠、全身倦怠感、頭痛、胸部不快感、ザワザワ感などの体の症状 
心身両面の症状が出てきます。 

今年は新型コロナウイルスでいつもと違う生活様式を強いられていますね。
 
1:新型コロナウイルス感染の不安
2:今後どうなっていくか現実的な不安
3:ソーシャルディスタンス維持のため十分にコミュニケーションが取れない
4:時期的に梅雨で身体不調が起きやすい時期
 などにより
孤独感を感じやすくレジリエンス(精神的回復力)が低下し易くなってます。
 
実際6月後半から7月にかけて、上の4つの不安材料以外として
経済が疲弊しきっている状況で職場ストレスからのうつ状態の患者さんが多くなってきています。
5:職場ストレス!!
 
実際の患者さんの声として
1:新型コロナウイルスで職員が少なくなり、勤務が多忙になった
2:いままで職場のストレスを感じていた人が、在宅勤務でストレス軽減していたが出勤が再開して、これまで以上に強いストレスを感じている
3:リモートワークで(フレックス制で)夜型生活になってきている 夜にPC操作するので睡眠が浅くなって、お酒の量が増えてきて体調不良
4:夫が在宅ワークでストレスを感じる(単身赴任の夫が在宅勤務してるなど)
5:子供が一日中 タブレットを見ている、ゲームをして勉強をしない、それを見ると苛々してしまう
6:いつもより食事を作る回数が増え疲れる 
7:在宅ワークだと ONとOFFの切り替えが出来ない 気分的にも体調的に的にもダラダラした生活になった
8:自粛警察が怖い 皆と同じようにしないといけないと思ってしまう
9:在宅ワークだと資料が手元に無くて進まない、仕事がはかどらない
10:産後に新型コロナウイルスが重なって健診が出来ない、周囲のサポートが受けられないストレスを感じていた
 
など いつもと違う生活様式からのストレスは皆さん立場が違ってもそれぞれ強い様です。
 
対策としては
1:まずは睡眠 2:適度な運動 3:人とのコミュニケーション 4:適切な栄養 この4つが大切だと思います。 
自分を振り返って
1:色んな事が面倒くさいと感じる
(SNSを面倒くさい、投稿の頻度が少なくなる、返事が遅れる、見たくない)
2:普段はしないような、うっかりミス(仕事でも、勉強でも、家事でも)が増えている
3:不安を感じやすくなっている、マイナス思考にとらわれる
4:睡眠が浅くなる、朝早く目が覚める、嫌な夢が多い、熟睡感がない
5:食欲がなくなる、栄養をつけるために食べている、義務として食べている(逆に過食になる人もいる)
 
などの症状が 2週間以上持続して、自分なりの気分転換を講じることが出来ないようなら心療内科や精神科への相談も必要かと思います。 
 
また これからコロナショックによる失業率の増加は 新型コロナウイルスに感染して死亡する数を遥かに超えて行くのでは?と心配しています。
 自殺の影響は広範囲にわたる―新型コロナウイルスによる失業が健康や自殺に与える影響―(2) 茂木洋之 から
 
 
アナリストの茂木 洋之先生のコメントで『失業したことによってメンタルヘルスが毀損され、うつ病などになり、それが自殺につながる可能性が考えられる。経済・生活問題の増加と合わせて考えると、適切な政策によって防げる自殺も多いことが示唆される。』と述べている
『2021年の自殺者数は、2003年の過去最高値となる自殺者数を約1万2000人上回るという計算になる。』と警告をされている。
 
世界で新型コロナウイルスが終息していくことを切に願っています。 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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