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GAD(全般不安症・全般性不安障害)

GAD:全般不安症(全般性不安障害)とは

全般不安症(GAD:Generalized Anxiety Disorder)は、「特定の対象がなくても、慢性的に不安や心配が続く状態」を特徴とする不安障害の一つです。日常生活のささいなこと(健康、仕事、人間関係、お金など)について、過剰でコントロールできない心配が長期間続く状態が続きます。
アメリカの診断基準DSM-5-TRでは「6か月以上持続」が診断の目安とされています。
日本におけるGADの生涯有病率は2.6%であり、女性に多いといわれています。

  

 GADを含む不安障害の疾病負荷 

不安障害の疾病費用は約2.4兆円であり、うつ病と同様その多くは欠勤や休職、生産性低下
による社会的損失といった間接費用が占めています。世界精神保健日本調査(WMH・J)
報告書によると、不安障害の患者はうつ病患者よりも受療率が低いとの報告があり、不安
障害の疾病費用を減らすには、まず受診を促し受療率を向上させることが重要とされています。
患者の受療率を向上させることは、直接費用の増加をもたらすもののそれ以上に間接費用の
低下をもたらすと考えられています。
 

主な症状

不安に伴う以下のような症状が複数みられます  

  • 持続的な不安・心配(止められない思考)
  • 落ち着かない・そわそわする
  • 易疲労感(すぐ疲れる)
  • 集中困難・頭が真っ白になる
  • 易刺激性(イライラしやすい)
  • 筋緊張(肩こり・頭痛など)
  • 睡眠障害(入眠困難・中途覚醒)  

※ 身体症状(自律神経症状)が強いのが特徴で、内科受診で見つかることも多いです。

GADと病的ではない心配・不安の特徴


 原因・背景

単一の原因ではなく、複数の要因が関与します

  • 脳内神経伝達(セロトニン・ノルアドレナリンなど)のバランス異常
  • 性格傾向(心配性・完璧主義)
  • ストレス環境(仕事・家庭・ライフイベント)
  • 過去のトラウマや不安体験 

※不安に関するセロトニン・ノルアドレナリンのメカニズム

鑑別が重要な疾患

似た症状を示すため併存疾患の確認や鑑別診断が重要です

  • うつ病(不安+抑うつ)
  • パニック症(パニック障害)(発作的な強い不安)
  • 社会不安症(社交不安障害)(対人場面限定)
  • 身体疾患(甲状腺機能亢進症など)
 治療

 ① 薬物療法 ※ 根本的にはSSRI/SNRIが第一選択
ⅰSSRI(例:エスシタロプラム)
ⅱSNRI(例:ベンラファキシン) ※2026年3月23日にGADへの保険適応されました。
 →ドイツS3ガイドラインでは不安症の第一選択がSNRI(イフェクサー)
  カナダ不安症学会(ADAC)ではGADの第一選択がSNRI(イフェクサー)
  生物学的精神医学世界連合(WFSBP)ガイドラインではGADの第一選択がSNRI(イフェクサー)
ⅲ抗不安薬(短期的使用が推奨)
② 精神療法
認知行動療法(CBT)
 →「心配のクセ」を修正する治療
 →再発予防にも有効
③ 生活調整
睡眠リズムの安定
カフェイン制限
適度な運動(有酸素運動)
情報過多(SNSなど)の調整

 予後

慢性化しやすいが、適切な治療で改善可能
放置すると「うつ病」を合併しやすいと言われています。
不安障害に合併した気分障害は治りにくく、また再発しやすいと言われているのでしっかりと治療をすることが重要ですね!! 

 

 

 

 

 

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