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ヒスタグロビン

1:ヒスタグロビンの歴史
1947年、フランスのBenda(ベンダ)とUrquia(ウルキア)は、健康人血清2mLをモルモットに皮下注
射すると、致死量のヒスタミン吸入に対する明らかな抵抗力が獲得されることを「第26回フランス医学会」に報告したのが始まりでその後の研究で『抵抗力は健康人血青の免疫グロブリン分画に存在すること、さらにある一定量のヒスタミンを混合しておくと、より強い抵抗力が得られることがわかりました』この事実を基に、ヒスタグロビンは開発、製剤化されました。
ヒスタグロビンの薬理作用として、ヒスタミン防御作用以外に、ヒスタミン遊離抑制作用炎症局所への好酸球浸潤抑制作用が確認されています。
 

2:効能
ヒスタグロビン注射は特定のアレルギー物質に対して反応するのではなく、全てのアレルギー物質に反応します。特定のアレルギー物質に対する治療でないため、スギ花粉など特定以外が原因の人にも効果を発揮する治療法です。
複数のアレルギー物質がある人では、ヒスタグロビンでアレルギー反応を抑えること、アレルギー体質を軽減する効果が期待されます。

下記疾患であれば保険で治療出来ます!!
アレルギー性鼻炎
血管運動性鼻炎
(これは周囲の環境に鼻粘膜の局所自律神経(無意識に作用する神経)が過敏に反応して症状が生ずるもの、暑さや寒さなどの温度差で起きる鼻炎→温度アレルギーといったら理解しやすいですね)
アトピー性皮膚炎
じんま疹
​慢性湿疹 
気管支喘息      

どれもⅠ型アレルギー(即時型)の主要な疾患です!! 
(アレルギー疾患はⅠ~Ⅳまでありますが、それは別の機会に説明します)

3:合成物質ではなく健康な人の血液から作られた製剤!!

人の血液を原材料として製剤化したものであるのでこの治療に抵抗がある人がいるかも知れませんが、日本国内で献血されたものに限定していますし、感染症がある人の血液はまず使用していません。さらにヒスタグロビンは製造過程において、危険な細菌、ウィルスなどの排除が十分なされています。

4:当院での注射スケジュール
まず 女性の場合 月経直前、月経中や妊婦の方は打つことが出来ません(必ず確認します)
基本は
週一回 本剤1バイアルを注射用水1.5mLに溶解し、皮下に注射 これを6週間連続行う
以降は3ヶ月ごとの維持療法
 

5:他の薬との併用療法
アレルギー体質を改善することが期待されますが、今まで長い間ステロイドや他の薬剤を使用している方には、急な薬剤の変更はリバウンド現象がおきますので、必ずしばらく同じ治療(同じグレードのステロイド)を継続することを約束して貰っています。自己判断で継続薬の自己中断を行うと元の症状より更に悪化することがあります。
ヒスタグロビンと漢方薬などを開始しながら今までの治療薬を減量していきます。

ステロイドは→今体にある、炎症を抑えるのに有効な治療
ヒスタグロビンは→アレルギー反応を抑える(アレルギー体質)を抑える治療

両輪で治療していき、アレルギー体質が軽減していけばステロイドもグレードが下がっていきます(高IgE症候群の人などは難治例もあります、通常当院の検査で簡単にIgEは測定できます、基準値は170
以下ですが、時には1万を超える方もいます、そのような方は要注意です)

6:ヒスタグロビンの効果?
1クール(6回)を行った、ヒスタグロビンの臨床試験で、102人を対象に本剤1回1バイアル投与の治療で、67%の有効率を得ています。特に、くしゃみや鼻水に対する有意な改善が認めらています。

また効果が出ない32%にさらにもう1クール、今度は1回2~3バイアルの治療を行うと、60%の方に有効でした。つまり2クールやっても効果が出ない人は、10%しかいないことになります。そのため非常に効果がある治療と言えます。
しかし当院では 第2世代の抗ヒスタミン剤や漢方薬、(皮膚疾患では保湿剤)など殆どのケースで併用療法も行っています。

7:ストレスとの関連 
ストレスと喘息の関係、ストレスと皮膚症状の関係は医学的に関連性が証明されています。
当院は心療内科的な視点で、心身相関性を重視した治療を行ってます。

2017年5/30発売の週刊女性(6月13日号)主婦と生活社『ヒスタグロビンによる治療が受けられるクリニック』として当院が紹介されてます、週刊女性の東京・八重洲の小林ペインクリニック小林 裕史先生と代官山パークサイドクリニック岡宮裕先生のコメントもご参考下さい。


 

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