
ミニピル(mini-pill)とは、
低用量プロゲスチンのみを含む
経口避妊薬のことです。
従来の「低用量ピル」は
エストロゲンとプロゲスチンの
2種類のホルモンを含むのに対し、
この「ミニピル」は
プロゲスチン(黄体ホルモン)のみ
含むのが特徴です。
避妊が目的ではなく、
月経困難症の治療薬です。
(保険診療可能です)
特徴と仕組み
ミニピルは以下のような働きをします
- 子宮頸管粘液の変化
子宮頸管粘液を変化させて
子宮への精子の侵入を阻止し、
受精させにくくする仕組みになっています。
- 子宮内膜の変化
受精卵が着床しにくい環境を作ります。
子宮内膜を薄くするため
月経痛が解消・緩和されます。
- 排卵抑制(完全ではない)の
一部の女性では排卵を抑制する場合がありますが、
エストロゲンを含むピルほど強力ではありません。
LEP(Low dose Estrogen Progestin)
レップ製剤より優れている点
- エストロゲンを含まないため、
副作用が少ない
エストロゲン由来の副作用
・血栓症や頭痛
・吐き気が少ない
・喫煙者
・閃輝暗点を伴う頭痛持ちの人
・肥満
・高血圧症
の方でも使用出来ます。
注意点
- 摂取時間の厳守が必要
ミニピルは効果を最大限にするため、
毎日同じ時間に1日2回摂取することが求められます。
※当院で処方しているミニピルはジェノゲストです。
0.5mg錠を朝1錠と就寝前1錠同じ時間帯に服用します。
3時間以上の遅れがあると
月経困難の軽減効果が低下する可能性があります。
- 副作用がある場合も
不正出血は高頻度(94.6%)でみられます。
軽度の副作用として
倦怠感(7.5%)、月経過多(7.5%)、
乳房不快感(5.4%)、頭痛(4.8%)、
悪心(4.1%)、傾眠(4.1%)があります。
- 完全な排卵抑制が期待できない
本来の目的は月経困難の軽減効果です。
避妊効果に関して従来のピルよりも
効果が弱いため、追加の避妊手段が
必要です。
使用上の注意
- 医師の処方が必要です。
※月経困難症を治療している
医師による診察。
服用前には、健康状態やこれまでの歴を確認し、
適しているかどうか判断してもらう
必要があります。
- 機能的月経困難症には効果がありますが、
器質的月経困難症である場合、
産婦人科での治療が必要となります。
- 1回目は、月経の2~5日目から服薬を開始します。
月経により確実に妊娠していないことを
確認するためです。
開始後は休薬期間を設けず365日毎日服薬します。
