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長時間作用男性ホルモン注射 セルノスデポー® 1000 mg(テストステロンウンデカン酸エステル 筋肉注射 4 mL)

セルノスデポー®1000 mg(テストステロンウンデカン酸エステル1000 mg/4 mL)は、ヒマシ油+ベンジルベンゾエートを溶媒とする超長時間型男性ホルモン筋注製剤です。

   

加齢男性性腺機能低下症(LOH:男性更年期障害)、一次性・続発性性腺機能低下症、FTMホルモン療法維持期などで用いられます。

投与方法として初回投与後4~6週に2回目を行い、以降2~3ヶ月ごと(8~10~14週間隔)臀部深部にゆっくり筋注する。
半減期3〜4週、効果持続10〜14週でピーク・トラフが小さく、年4回投与でも“ローラーコースター”症状が起こりにくいといったプロフィールのデポ剤です
血清総テストステロンを生理域(350〜900 ng/dL)に安定維持することが目的。
(トラフ値:薬を繰り返し投与した際に血中濃度が次回投与直前に最も低くなる「トラフ値」)

効果は性欲・勃起・活力・骨密度・除脂肪量の改善、脂肪減少、気分安定などが報告され、短時間型より通院負担と自己管理負荷を軽減できる。

副作用:注射部位痛、ざ瘡、体重増加、多血症(Ht>54%)、睡眠時無呼吸増悪、まれに油塞栓症。
禁忌:前立腺癌、男性乳癌、重度肝疾患、未治療多血症、薬剤過敏症、女性・小児。


開始前にPSAとテストステロン値など 開始後3・6・12か月、その後年1回を目安に血清テストステロン、もしくは遊離テストステロン、CBC生化学検査、血圧をチェック
Ht54%超や、睡眠時無呼吸症候群悪化、PSA急上昇時は投与間隔延長・休薬を検討する。
ワルファリン併用で出血傾向、糖尿病薬併用で血糖低下が強まる恐れがあるため用量調整が必要。
油性製剤ゆえ静脈内漏出を避けて深部筋注し、注射後30分は呼吸循環を観察する。
保存は30 ℃以下遮光、冷凍厳禁。
ゲルや貼付剤と異なり日々の塗布や接触汚染の心配がなくプライバシーを保ちやすいが、医療機関での注射が必須である。

 

 

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