微笑みうつ病といわれる疾患があります、表面上は明るく笑顔でふるまっているものの、
内面では抑うつ状態にある人のことを指します。
医学的な正式名称ではありませんが、「仮面うつ病」「非定型うつ病」などと呼ばれることもあります。
先日 河本準一さんがうつ病・パニック障害を患っていたことを告白したとの記事を見ました。
長島一茂さんもうつ病告白をしています。
うつ病は一般的に主観的症状(本人の訴え)に基づいての診断となりますが
他覚的所見(医師や他者が観察できる症状)も重要な診断の手がかりとなります。
この微笑みうつ病は本人が我慢しているため主観的症状を本人から聞くことは難しく
また 他覚的症状も 無理して笑顔を作るなどして 周囲に分かりにくいと言われています。
うつ病の一般的な他覚的所見
所見分類 | 具体的な所見 |
外見・態度 | ・表情が乏しい(仮面様顔貌) ・身だしなみに無頓着になる ・姿勢が猫背・うつむきがち ・動作がゆっくり(精神運動抑制) ・アイコンタクトを避ける |
言動 | ・話す速度が遅い、声が小さい ・返答に時間がかかる(思考制止) ・独語や被害的な発言(重症例) ・自責的・悲観的な言葉が多い |
行動 | ・活動性の低下(無気力、無関心) ・仕事・学業・家事の能率低下 ・社会的な引きこもり傾向 ・自殺念慮や自傷行為(リスク評価必要) |
身体症状の訴え | ・睡眠障害(入眠困難・中途覚醒) ・食欲不振または過食 ・体重減少または増加 ・倦怠感、頭重感、肩こり、便秘など ※身体症状を強く訴える場合、「仮面うつ」の可能性 |
認知・注意 | ・集中力・判断力の低下 ・物忘れが増える(仮性認知症) ・会話中に話題が飛ぶ・まとまりに欠ける |
こういった 他覚的所見も本人が無理して繕おうとするため発見されにくい。
感情を抑え込む文化圏の人には多いと言われています、また逆にSNS文化圏・主張すること
が重んじられる国にも多いと言われています。
1. 日本・韓国など東アジア諸国
文化的背景として、日本など感情を表に出さない「和を重んじる」風潮が強く、仮面うつの傾向が見られやすいと言われてます 韓国では、儒教的価値観と競争社会のプレッシャーによって、抑うつを隠すケースが多く、2021年の調査では男性32.7%、女性22.9%が生涯で精神疾患の症状を経験したと報告されています
2. 中国
18歳以上の成人のうち約16%が気分障害を経験し、そのうち6%が大うつ病に該当したとの調査もあるようです。メンタルヘルスへのスティグマ(偏見)がまだ強く、診断や受診に結びつきにくいという問題があると予想されます
3. 欧米およびSNS文化圏
「高機能うつ(high-functioning depression)」という仮面うつに近い概念があり、職場や家庭では通常通り機能するが、内面で深い抑うつが続く状態があります。SNS上で「常にポジティブに見せなければ」という圧力がこうした傾向を強めていると指摘されています。
(高機能うつ:日常生活や仕事を一見こなしているように見えるが、内面では抑うつ状態にある人のこと正式な医学用語ではなく、DSM-5(精神疾患の診断マニュアル)においては「気分変調症(持続性抑うつ障害)」や軽症の大うつ病性障害と分類されることが多い俗称)
年代ごと 特徴や精神的課題があります
10代後半〜20代前半 : 思春期・学生生活・将来への不安など、自分の価値や居場所に悩む時期。
学校やSNSで「明るく振る舞う」ことを求められ、内面を出せないケースも。
20代後半〜30代 :就職・結婚・出産など人生の転機が多く、責任感とプレッシャーが増す時期。
社会人として「しっかりしなければ」「弱さを見せられない」と無理をしやすい。
40代 :キャリアの中盤で仕事や家庭の負担が重なる。
親の介護・子育て・昇進プレッシャーなど、多重ストレス世代。
50代以降:更年期・身体の不調・家庭内の変化(子の独立など)により、
「無理に頑張る」傾向が強い人は微笑みうつ病(スマイルうつ/笑顔うつ病)になりやすい。
特にがんばることが求められ、弱音を出せない人が起きやすい傾向にあります
頑張りすぎず、良きメンター・相談相手・ガス抜き相手・話し相手など持てるように 人間関係を構築しておく必要がありますね!!
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