やっと暑い夏が終わり 過ごしやすい季節になりましたね
秋は行楽の季節ですが、実は社交不安障害(SAD)の患者さんにとっては、症状が悪化しやすい「危険な季節」であることをご存知でしょうか。
1. イベント増加による「回避行動の拡大」
夏休みが明け、学校や職場ではプレゼン、会議、歓送迎会、文化祭、町内会の行事など人前でのイベントが急増します。SADの方は、これらの状況に対する予期不安が非常に強く、「緊張して失敗したらどうしよう」という恐怖から、欠席や病欠などの回避行動が増えがちです。
この回避行動が続くと、「苦手な場所を避ける」ことが習慣化し、不安を感じる範囲がどんどん広がり、日常生活への支障が一層深刻化してしまうのです。 不安は脳内の扁桃体(へんとうたい)の過活動が原因と言われています、一度失敗した状況は近接する海馬(かいば)で記憶され、同じ状況になると扁桃体がアラームを鳴らします。
2. 「秋うつ」との複合リスク
秋から冬にかけては、日照時間の減少により「季節性うつ病(冬季うつ病)」を発症しやすい時期でもあります。
なんと 1年で冬至と夏至では(福岡地区では)日照時間が4時間半も違うのです!! 日照時間の短さによりセロトニン神経が弱まり不安や抑うつが広がりやすくなると言われています。
SADの強い不安や自己否定感が、この季節的な気分の落ち込みと結びつくことで、「社交不安+うつ症状」という複合的なメンタル不調に陥るリスクが高まります。意欲の低下や、引きこもりがちになることで、ますます社交場面を避けるようになり、重症化の悪循環に拍車をかけてしまうのです。
3. 自分で抱え込まない「早期の相談」を
「秋だから仕方ない」「単なる人見知りだ」と、症状を季節のせいにしたり、性格の問題だと放置したりするのは大変危険です。
現在は 社交不安障害(SAD)の治療は学会のガイドラインが出来ています、それに従って治療を行うことで新しい自分に変わることが出来ます。
もし、この秋、不安や緊張が強くなっていると感じたら、それは心のSOSです。悪化する前に、ぜひ専門の医療機関にご相談ください。適切な治療で、秋の罠から心を解放しましょう。
現在当院では 社交不安障害の治験を行っています 興味のある方はご相談下さい。
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