先日 新患の患者さんと診察をしたとき 心療内科へ受診した経緯を聞くと
『ChatGPTに相談したら心療内科へ受診することを勧められたので来ました』と言われていた方がいました。
また 別の患者さんは 誰かこのことを相談出来る人はいますか?との問いに
『ChatGPTに相談している、アドバイスも貰っています』と 若者の生活の中にAIチャットボットが入り込んでいる時代なのだな。と感じました。
※AIチャットボット→人工知能(AI)技術を活用して、人間とリアルタイムで自然な対話を行う自動応答プログラム。
主に「自然言語処理」という技術を使い、ユーザーの質問を理解して、的確な回答を生成します。
そんな中
米国で12〜21歳の若者の「8人に1人」が、メンタルヘルスの相談にAIチャットボットを利用している
そんな興味深い研究結果がJAMA Network Openで報告されました。
背景には、若者の不安や孤独を“すぐに・誰にも知られずに”吐き出せる場として、AIが一定の役割を果たし始めている現状があります。
調査では、AI利用者の約65%が毎月相談し、9割以上が「かなり役に立った」と回答しています。
米国では12〜17歳の18%が年間で大うつ病エピソードを経験するにもかかわらず、40%が専門ケアにアクセスできていないという深刻な現実も指摘されました。
従来の医療の“すき間”をAIが埋めているとも言えます。
一方で、課題も明らかです。AIの助言には標準化された安全基準がなく、学習データの透明性も限定的。
さらに、AP通信が報じたように、AIが不適切な回答で自殺企図を助長したとして訴訟が起きている事例もあります。
極めて重い症状を抱える若者が、誤った助言に影響されてしまうリスクは無視できません。
AIが若者の心の支えになりつつあるのは事実。しかし、安心して使える仕組みづくりが追い付いていない――これが今回の研究が示す“二面性”です。
私たち臨床現場の人間も、AIとの新しい関わり方を真剣に考える時期に来ています。
出典:米国の青少年および若年成人のメンタルヘルスアドバイスにおける生成AIの活用
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