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PTSDのアニバーサリー反応の具体的対策について

トラウマを想起させる時期に心身が不安定になる
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の「アニバーサリー反応」について解説しました。
今回は、その時期を少しでも穏やかに過ごすための具体的な対策についてまとめてみたいと思います。

 

1. 「あらかじめ予測する」という備え

最も大切なのは、「そろそろあの時期だから、調子が落ちてもおかしくない」と事前に認識しておくことです。
不調の正体がわからないと不安は増幅しますが、
「これはアニバーサリー反応だ」というラベルを貼るだけで、心に少しの客観性が生まれます。

2. スケジュールに「空白」を作る

この時期は、心のエナジーをいつも以上に消耗します。

  • 重要な決断や新しい挑戦は避ける。

  • 仕事や家事のハードルを下げ、意識的に「何もしない時間」を確保する。

  • 刺激の強いニュースやSNSからは距離を置く(デジタルデトックス)。

3. 「今」に繋ぎ止める感覚を大切に グラウンディングの活用

フラッシュバックが起きそうな時は、五感を使って「今は安全な2026年にいる」という感覚を取り戻しましょう。
冷たい水で顔を洗う、好きな香りを嗅ぐ、今見えているものを5つ書き出すといった「グラウンディング」が効果的です。

PTSDのフラッシュバックや強い不安に襲われると、心は「過去の恐怖」や「未来の不安」に飛び去ってしまい、
現実との繋がりを失ってしまいます。そんな時に、五感を使って「自分は今、安全な場所にいる」という感覚を強制的に呼び戻す手法です。

代表的な「5-4-3-2-1法」を解説します。

五感を使ったグラウンディングのやり方
パニックになりそうな時、深呼吸をしながら、周りにあるものを次の順で見つけてみてください。

視覚(5つ): 目に見えるものを5つ探す(例:時計、窓の外の木、自分の手…)

触覚(4つ): 肌に触れているものを4つ感じる(例:椅子の感触、服の生地、足の裏の地面…)

聴覚(3つ): 聞こえてくる音を3つ聞く(例:エアコンの音、車の走行音、自分の呼吸音…)

嗅覚(2つ): 匂いを2つ嗅ぐ(例:コーヒーの香り、柔軟剤の匂い。なければ好きな匂いを想像する)

味覚(1つ): 1つ味を感じる(例:ガムを噛む、お茶を飲む、口の中の感覚に集中する)

4:最後に

アニバーサリー反応は、あなたがそれだけ大きな困難を生き抜いてきた証でもあります。
無理に克服しようとせず、嵐が過ぎ去るのを待つように、自分自身を優しく労わってあげてください。

もし、動悸や不眠が強く日常生活に支障が出る場合は、お薬の調整などでサポートすることも可能です。
一人で耐えずに、いつでもお気軽にご相談くださいね。

 

 

 

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