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PTSDのアニバーサリー反応の効果的な薬物療法について

アニバーサリー反応という「心の嵐」に対して、お薬は「一時的に避難するためのシェルター」や
「荒れた波を鎮める鎮静剤」のような役割
を果たしてくれます。
アニバーサリー反応によるPTSD症状の再燃や悪化に対し当院で検討する主な薬物療法についてまとめました。

1. SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
PTSDの標準的な治療薬です。アニバーサリー反応による日常的な「過覚醒(常にピリピリしている状態)」や気分の落ち込み、不安を底上げする効果があります。
日本ではセルトラリン(ジェイゾロフト)とパロキセチン(パキシル)がPTSDに対しての保険適用ですがうつ病・うつ状態の診断にて他のSSRIやSNRI、S-RIM(エスリム)、NaSSA(ナッサ)などでの治療を行うこともあります。

特徴: 即効性はありませんが(数週間後に効果発現)、飲み続けることで脳内の神経伝達物質のバランスを整え刺激に対して過敏になりすぎない心身の土台を作ります。

2. 抗不安薬(いわゆる安定剤)やβ-ブロッカー(過剰な交感神経の昂ぶりを抑える薬) 
「今、この瞬間の強い不安や動悸」を抑えるための、即効性のあるお薬です。

特徴: フラッシュバックが起きそうな時や、予期不安(またあの状態になるのではないかという恐怖)が強い時に、頓服(とんぷく)として使用します。「これを持っていれば大丈夫」という安心感自体が、アニバーサリー反応を和らげることもあります。

3. 睡眠導入剤
アニバーサリーの時期は、悪夢や入眠困難が顕著になりがちです。

特徴: 睡眠不足はトラウマ症状を悪化させる最大の引き金になります。質の良い睡眠を確保することで、日中の感情コントロールを助けます。

4. 抗精神病薬(少量使用)
思考がまとまらないほどのパニックや、激しいイライラ、感覚過敏が強い場合に、ごく少量を補助的に用いることがあります。
脳の「火照り」を冷ますイメージです。
 

大切なこと:お薬は「心の杖」「心の補助輪」のようなもの
お薬だけでトラウマそのものを消すことはできません。しかし、アニバーサリー反応という険しい時期を乗り越えるための
「心の杖」「心の補助輪」として活用することで、生活の質を守ることが可能になってきます。

また 現在当医院ではPTSDの医療機器治験に 参加される患者さんを募集しています
(薬では無く、医療機器による初のPTSDの治療の治験です、興味がある方はご連絡ください。治験の基準に合致すれば医療機器での治療が可能です)  社交不安障害被験者募集リーフレット

 

この時期だけお薬を調整したり、一時的に頓服を活用したりすることも可能です。決して耐え忍ぶ必要はありません。

 

 

 

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