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新年度の「4月うつ」と五月病にご注意を

3月になりましたね、そして4月から新年度!!
入学、就職、転勤、部署異動などに伴い新しい生活が始まる季節です。街にはフレッシュな空気が流れ、気持ちを新たにスタートされる方も多いと思います。

しかし、心療内科の外来では、この時期から少しずつ増えてくる相談があります。それが「うつ状態」です。

最近では「4月うつ」という言葉も聞かれるようになりました。新しい環境に適応しようと頑張ることで、知らないうちに心のエネルギーが消耗してしまう状態です。新しい職場や学校、人間関係、生活リズムの変化は、私たちが思っている以上に大きなストレスになります。また対人緊張の症状が表面化するのもこの時期です。

患者さんからはこのような声をよく聞きます。

「朝起きるのがつらくなってきた」
「仕事や学校のことを考えると気が重い」
「休日なのに疲れが取れない」
「以前楽しめていたことが楽しめない」

それでも多くの方が、「もう少し頑張れば慣れるはず」と無理をしてしまいます。特に真面目で責任感の強い方ほど、自分を追い込みやすい傾向があります。

実はこの状態が続くと、ゴールデンウィーク明けに有名な「五月病」へとつながることがあります。4月に無理を重ね、連休で一度緊張が切れ、その後に気力が落ちてしまうという流れです。つまり五月病の多くは、4月からすでに始まっていることが少なくありません。

うつ病やうつ状態は「気持ちの弱さ」ではありません。ストレスや疲労によって脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることで起こる、医学的な病気です。早めに気づき、休養をとったり、生活リズムを整えたり、必要に応じて治療を行うことで回復する可能性が高い疾患です。

当院でも、新年度のこの時期は「眠れない」「気分が落ち込む」「仕事に行くのがつらい」といった相談が増える傾向があります。症状が軽いうちに相談していただくことで、回復も比較的スムーズなことが多いと感じています。

新年度は「頑張る季節」ですが、同時に「無理をしすぎないこと」も大切です。新しい環境に慣れるには、誰でも時間がかかります。最初から完璧にできなくても大丈夫です。

もし最近、「少し疲れているかもしれない」と感じている方がいたら、それは心からの大切なサインかもしれません。一人で抱え込まず、信頼できる人や医療機関に相談してみてください。

春は希望の季節であると同時に、心が揺れやすい季節でもあります。自分の心と体を大切にしながら、新しい一年をゆっくりとスタートしていきましょう。

 

  

 

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