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いまどきの睡眠薬

現在臨床で使用されている睡眠薬一覧

睡眠薬の発売の流れとして
1980年代:ハルシオン、レンドルミン、サイレースなどのBZDベンゾジアゼピン系が主流でした
1990~2000年代:マイスリー、アモバンなどのZ薬(非BZD)が登場
2010年:ロゼレムMRAメラトニン受容体作動薬)が登場←当院でも治験に参加しました!!
2014年以降:ベルソムラ、デエビゴ、クービビック、ボルズィなどORAオレキシン受容体拮抗薬の時代へ
(ベンゾジアゼピン系は有効性が高い一方で、転倒・認知機能低下・※前向性健忘・依存のリスクがあるため、特に高齢者では慎重な使用が推奨されています。依存や転倒リスクを減らしながら、より自然な睡眠を目指すメラトニン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬の方向に変化しています)
※前向性健忘(ぜんこうせいけんぼう)薬を飲んでからの出来事(話をしたこと、電話やメールをしたこと、飲食したこと)を忘れてしまう

  ベンゾジアゼピン系benzodiazepine BZD 非ベンゾジアゼピン系(Z薬・非BZD)
一般名 トリアゾラム フルニトラゼパム ブロチゾラム クアゼパム ゾピクロン ゾルピデム エスゾピクロン
商品名 ハルシオン サイレース・ロヒプノール レンドルミン ドラール アモバン マイスリー ルネスタ

発売年月日

1983.4. 1984.3. 1988.9. 1999.11. 1989.6. 2000.12. 2012.4.
発売元メーカー ファイザー エーザイ 日本ベーリンガーインゲルハイム あすか製薬 サノフィ アステラス製薬 エーザイ
剤型

0.125mg
0.25mg

1mg
2mg

0.25mg
D0.25mg
15mg
20mg
7.5mg
10mg
5mg
10mg

1mg
2mg
3mg

用法及び用量 0.125~0.25mg
就寝前
0.5~2mg
就寝前
0.25mg
就寝前
15~30mg
就寝前
7.5~10mg
就寝前

5~10mg
就寝直前
(※高齢者は5mgから)

1~3mg
就寝前
※高齢者は2mgまで
Tmax最高血中濃度到達時間 1.2H 1-2H 1.5H 3-4H 1H 0.8H

1H

T1/2半減期 2-4H 20H 7H 36-100H 4H 2H 5H
食事の影響 軽度あり 軽度あり 軽度あり 食後で吸収遅延 軽度あり 高脂肪食で吸収遅延 軽度あり
入眠効果 ◎(強い) ○~△ ◎(Z薬で最強) ◎~○
睡眠維持効果 ★★☆☆☆ ★★★★★ ★★★☆☆ ★★★★★ ★★☆☆☆ ★★☆☆☆ ★★★☆☆
翌朝持ち越し ★☆☆☆☆ ★★★★☆ ★★☆☆☆ ★★★★★ ★★☆☆☆ ★☆☆☆☆ ★★☆☆☆
主な副作用 前向性健忘、睡眠関連異常行動 眠気、筋弛緩 眠気、ふらつき 眠気、倦怠感 苦味、眠気 前向性健忘、睡眠関連異常行動 苦味、眠気
悪夢 まれ まれ まれ まれ 0.1%未満 0.1~1%未満 1%未満
頭痛 1~2% 1%未満 1%未満 1%未満 約2% 0.1~1%未満 約3%
まとめ 最も速く効く 強力な維持効果 バランス型 最も長く効く 即効性しかし苦味あり 最も切れ味が良い 入眠+維持型
ひと言 近年使用されなくなっている 強力な睡眠維持型 バランスの良い定番 長時間作用型(処方例は少ない) 即効性が高いが苦味が有名 切れ味が良い今だ知名度高い アモバンの改良版

※高齢者は65歳以上

  メラトニン受容体作動薬
(Melatonin Receptor Agonist MRA) 
オレキシン受容体拮抗薬(Orexin Receptor Antagonist  ORA)
一般名 ラルメテオン スボレキサント レンボレキサント ダリドレキサント ボルノレキサント
商品名 ロゼレム ベルソムラ デエビゴ クービビック ボルズィ

発売年月日

2010.7. 2014.11. 2020.7. 2024.12. 2025.11.
発売元メーカー
武田薬品工業
MSD株式会社 エーザイ ネクセラファーマジャパン(旧イドルシア)・塩野義製薬

明治ファルマ

剤型 8mg 10mg 15mg 20mg 2.5mg
5mg
10mg

25mg
50mg

2.5mg
5mg
10mg
用法及び用量 1日1回8mg
就寝前
1日1回20mg
※高齢者は15mg
就寝直前
1日1回5mg
就寝直前
最高10mgまで
1日1回50mg
就寝直前
 
1日1回5mg
就寝直前
最高10mgまで
Tmax 0.75H 1.5H 1.55H 1.5H

0.5H

T1/2 1H 10H 31.35H 6.5H 2H
食事の影響 高脂肪食で吸収低下 Tmaxが1H延長 Tmaxが2H延長 Tmaxが1.3H延長 影響少ない
入眠効果 ○~△(やや弱い) ◎~○ ◎(最速)
睡眠維持効果 ◎(最強) ○~◎ △(短い)
翌朝持ち越し ○(少ない) △(人による) ○(少ない)

◎(最も少ない)

主な副作用 傾眠、めまい 眠気・悪夢・頭痛 眠気・倦怠感・悪夢 眠気・頭痛・めまい

眠気・悪夢(軽度)

悪夢 0.1-1% 2-3% 2-5% 1-2% 1-2%
頭痛 3-4% 1-3% 2-4% 2-3% 2-3%
まとめ 入眠と維持のバランス型 バランス型(やや古い) 長時間型で
維持重視
バランス型
現代の標準
超短時間型入眠特化
ひと言 体内時計を整える薬 脳の覚醒スイッチを切る薬

容量調整がし易い薬(患者さん個別のカスタマイズし易い薬)
 

翌朝に残りにくい薬 自然な眠りと安全性を両立した新しい薬
高齢者にも使いやすい

 

お薬(睡眠薬)の卒業について

睡眠が安定してきて、お薬が卒業できそうだという自信が持ててきたら、主治医に相談してみてください

 ①まず睡眠衛生(睡眠環境)を整える→薬を減らす前に生活習慣を整えることが重要です。

朝:毎日同じ時間に起床・朝日を浴びる
昼:適度な運動・昼寝は20分以内(1時から3時の間※アフタヌーンディップ(食後の眠気)の時の短時間のお昼寝は推奨) ※アフタヌーンディップ(Afternoon dip)→体内時計(サーカディアンリズム)の働きによって誰もが強い眠気や気だるさを感じる生理現象。
夜:カフェインを控える・寝酒をやめる・スマホを控える
※ホームページ参照:夜のコーヒーから睡眠の質を考察する

 ②急にやめない 最も重要なポイント!!
特にベンゾジアゼピン系睡眠薬やZ薬は、急に中止すると
反跳性不眠(以前より眠れなくなる)・不安・イライラ・動悸・発汗・手の震え
などが起こることがあります。

③睡眠が安定してから減量する→次のような状態が2~3か月以上続いていることが目安です。
ⅰ寝つきが安定している
ⅱ 夜中に何度も起きない
ⅲ 日中の眠気が少ない
ⅳ ストレス状態が落ち着いている

④少しずつ減らす→漸減法(ぜんげんほう)間引き法(まびきほう)・隔日投与法(かくじつとうよほう)
にて徐々に減量することが卒業成功の秘訣です。 

 漸減法(ぜんげんほう)  
  まず、今までの3/4量を1~2週間続け、経過がよければ1/2量でまた1~2週間
  更に問題がなければ1/4量に減らしていきます


                                 お薬やめ方-漸減法(ぜんげんほう)

 

​ 間引き法(まびきほう) 隔日投与法(かくじつとうよほう) 
  漸減法で必要最小限の睡眠薬に減らした後に、お薬をまずは一晩おきに服用して様を 見てみます。
  大丈夫そうであれば、次に二晩おき、三晩おき…と、睡眠薬を服用する回数を減らしていく方法です。



          お薬やめ方-間引き法(まびきほう) 隔日投与法(かくじつとうよほう) 


【もくじ】
・西洋医学的なお薬 ~メンタル系
・西洋医学的なお薬 ~睡眠系~
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