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虚実問診票

医師になりたての頃、医学部の学問は西洋医学が主体で成り立っていましたが
実際の臨床場面では 西洋医学の考えだけでうまく治療が進まないこともあり
ちょうど 東洋医学の権威の大先輩がいて、その先生から月1回講義を受けていた時期があります、その時 東洋医学会にも入会し 東洋医学会の専門医も取得しました。(現在は東洋医学の勉強は続けていますが、学会は退会して専門医は失効しております) 


漢方医学における「証の四大要素」とは、患者の状態を把握するための4つの基本的な視点のことです。これらを組み合わせて「証(しょう)」を判断し、最適な漢方治療を選びます。

要素 説明 主な判断基準 ポイント
① 虚・実(きょ・じつ) 体力・病勢の強さ 虚:疲れやすい/実:症状が強い 虚実:エネルギーや病気の強さ
② 寒・熱(かん・ねつ) 体の冷え or 熱の状態 寒:冷え、下痢/熱:ほてり、便秘

寒熱:体温感覚や症状の性質

③ 表・裏(ひょう・り) 病の位置(浅いか深いか) 表:風邪症状/裏:胃腸・内臓症状 表裏:症状が浅いか深いか(体表 or 内部)
④ 陰・陽(いん・よう) 全体の体質・傾向 陰:冷え、静か/陽:熱、活発 陰陽:その人全体のバランス(冷 or 熱)

例えば 風邪でも
体力がある人の風邪(寒気・発熱)→実・寒・表・陽→ 治療として 麻黄湯
体力がない人の風邪(冷え・だるさ)→虚・寒・表・陰→治療として 桂枝湯

実際の臨床場面では 各種検査データ、病歴、問診や理学所見などの所見などを診て、診断を行い、治療方針を立てる というものですが 
漢方治療の証の四大要素の 虚実の判断は実際の臨床場面では 漢方エキス処方を行うときに
必要な知識だと認識しております。 
当院でも使用している簡易的に虚実を知る問診票を提示しておきます。

虚実問診票

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

引用:
LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き 2022年 
風間泰蔵、高峯利充、水野一郎、他:男性不妊症における実虚証判定と補中益気湯治療の効果について日本不妊会誌41:151-158,1996
 

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