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社会不安障害(SAD)の関連症状(多汗症)

多汗症

「原発性多汗症」と「続発性多汗症」 に分類されます。 

 ① 原発性多汗症(げんぱつせいたかんしょう):
明らかな病気がないにもかかわらず、汗が過剰に出る疾患
 ⅰ小児期~青年期に発症することが多い
 ⅱ家族歴がみられることがある
 ⅲ左右対称に発汗する
 ⅳ睡眠中は汗が少ない
 ⅴ緊張やストレスで悪化しやすい

部位による分類
 ⅰ原発性腋窩多汗症(えきかたかんしょう):わき汗が多い
 ⅱ原発性手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう):手のひらの汗が多い
 ⅲ原発性足蹠多汗症(そくせきたかんしょう):足の裏の汗が多い
 ⅳ頭部顔面多汗症(とうぶがんめんたかんしょう):顔や頭皮の汗が多い
② 続発性多汗症(ぞくはつせいたかんしょう)
他の病気や薬剤が原因で起こる多汗症
 原因となる疾患
甲状腺機能亢進症 ⅱ更年期障害 ⅲ糖尿病 ⅳ褐色細胞腫 ⅴ感染症 ⅵ悪性リンパ腫 
 薬剤性の場合
ⅰ一部の抗うつ薬(SSRI・SNRIなど)ⅱ抗精神病薬ⅲ解熱鎮痛薬ⅳホルモン製剤ⅴカフェイン製剤など

多汗症全般へ処方されるお薬

1. 内服薬(飲み薬)脳や神経に作用し、全身の汗を抑えます。顔や頭部など、広範囲の汗に悩む方に向いています。
プロ・バンサイン(プロバンサイン臭化物): 多汗症の治療の代表的な抗コリン薬です。
 

その他オキシブチニン(ポラキス)ソリフェナシン(ベシケア)といった薬が使われることもあります。
注意点: 副作用として、口の渇き、便秘、眠気などが出ることがあります。

 2. 漢方薬「水(水分)」のバランスの乱れや、自律神経の乱れなど、体質そのものを改善します。
20番 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう): 水分代謝を整え、上半身やワキの汗を抑える代表的な漢方薬です。(これはダイエット漢方としても有名) 市販の制汗剤で効果を感じない場合や、日常生活に支障をきたしている場合はご相談下さい。
    

 腋窩多汗症について

腋窩多汗症(えきかたかんしょう)とは、わきの下に必要以上の汗が出る病気です。気温が高いわけでも運動をしているわけでもないのに大量の汗をかき、衣類の汗ジミやニオイ、人前での不安などから日常生活に支障をきたすことがあります。

汗は脳の視床下部からの指令を受け、自律神経の一つである交感神経によって調節されています。腋窩多汗症では、この交感神経から汗腺への信号が過剰になり、体温調節に必要な量を超えて汗が分泌されると考えられています特に緊張やストレスによって症状が悪化することも少なくありません。

以前は「体質だから仕方ない」と考えられていましたが、現在ではさまざまな治療法が利用できるようになっています。まず第一選択となるのが外用薬で、わきに塗る エクロックゲル や、拭き取りタイプの ラピフォートワイプ が保険適用で使用できます。これらは汗を出す神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑え、発汗を減少させます。
  科研製薬 エクロックゲル患者さん用資料
  ラピフォートワイプ2.5%を使用される方へ

症状によっては抗コリン薬による内服治療や、汗腺の働きを抑えるボツリヌス療法を選択することもあります。また、人前での緊張や不安が強く、社会不安障害(社交不安症)が背景にある場合には、不安症に対する治療を併せて行うことで症状が改善することもあります。

 手掌多汗症について 

手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)とは、手のひらに必要以上の汗が出る病気です。暑さや運動とは関係なく大量の汗をかくことが特徴で、書類が濡れる、スマートフォンやパソコンの操作がしにくい、握手や人との接触を避けてしまうなど、日常生活や仕事、学業に大きな影響を与えることがあります。

汗は脳の視床下部からの指令を受けて、自律神経の一つである交感神経によって調節されています。手掌多汗症では、手のひらに分布するエクリン汗腺に対して交感神経が過剰に働き、必要以上の汗が分泌されると考えられています。特に手のひらは、緊張や不安などの精神的な刺激に反応しやすく、人前での発表や試験、会議などで症状が悪化することがあります。

また、社会不安障害(社交不安症)が背景にある場合には、「手汗を見られたらどうしよう」という不安がさらに発汗を増やし、悪循環を生じることもあります。

近年は手掌多汗症に対する治療法が進歩しています。保険適用の外用薬として アポハイドローション があり、手のひらに塗布することで汗を出す神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑え、発汗を減少させます。
  アポハイドローション患者さん用資料

抗コリン薬による内服治療、塩化アルミニウム外用療法(当院では行ってません)、イオントフォレーシス(微弱な電流を利用した治療)(当院では行ってません)、重症例では胸部交感神経遮断術(ETS)(当院では行ってません)などが選択されることもあります。

手掌多汗症は決して珍しい病気ではなく、多くの患者さんが「体質だから仕方ない」と我慢しています。しかし、適切な治療によって症状の改善が期待でき、学業や仕事、人間関係への影響を軽減できる可能性があります。

 

 

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