LDLコレステロール(LDL-C)は、いわゆる「悪玉コレステロール」と呼ばれ、動脈硬化の進行に深く関わります。LDL-Cが高い状態が続くと、血管の内側にコレステロールが蓄積し、プラークと呼ばれる動脈硬化病変を形成します。これが破綻すると血栓ができ、心臓の血管で起これば心筋梗塞、脳の血管で起これば脳梗塞の原因となります。
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| LDL-C値 | 冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)の相対危険度 |
|---|---|
| 100mg/dL未満 | 1.0(基準) |
| 100~119mg/dL | 1.1~1.2倍 |
| 120~139mg/dL | 1.3~1.6倍 |
| 140~159mg/dL | 1.8~2.8倍 |
| 160~189mg/dL | 2.5~4倍 |
| 190mg/dL以上 | 4~6倍以上 |
※相対危険度は年齢、性別、糖尿病、高血圧、喫煙、慢性腎臓病などの有無によって変動します。
日本人を対象としたCIRCS研究では、LDL-C 140mg/dL以上の方は、LDL-C 80mg/dL未満の方と比較して、冠動脈疾患全体のリスクが2.80倍、心筋梗塞のリスクが3.83倍、非致死性冠動脈疾患のリスクが4.07倍に上昇していました。つまり
LDL-Cが140mg/dLを超えると心筋梗塞リスクは約3倍に高まると考えられます。
また、日本人を対象とした疫学研究では
LDL-Cが140mg/dL以上になると、動脈硬化が原因となる動脈硬化性脳梗塞の発症リスクが約1.5~2倍に増加することが報告されています。また、160mg/dL以上ではさらにリスクが高くなり、高血圧、糖尿病、喫煙習慣を伴う場合には脳梗塞発症リスクが大幅に上昇します。
一方で、LDLコレステロールを低下させる治療は脳梗塞予防にも有効です。大規模臨床試験の解析では、LDL-Cを約40mg/dL低下させるごとに、脳梗塞を含む主要な心血管イベントが約22%減少することが示されています。このことから、LDL-Cは「少し高いだけだから大丈夫」と考えるのではなく、将来の心筋梗塞や脳梗塞を予防するために、早めに管理することが大切です。
特に、糖尿病、高血圧、喫煙習慣、肥満、家族歴がある方では、同じLDL-C値でも心血管イベントの発症リスクはさらに高くなります。
※例えばLDL 160 を→ 120 mg/dLまで下げると、心血管イベントが約20~25%減少
する計算になります。
LDL-Cの管理は、食事療法・運動療法・禁煙・体重管理が基本です。必要に応じてスタチン、エゼチミブ、PCSK9阻害薬などの薬物療法を組み合わせることで、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクを下げることが期待できます。
参考文献:
LDLコレステロールのより積極的な低下療法の有効性と安全性:26件の無作為化試験に参加した17万人のデータに基づくメタ分析

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