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2.なぜ概日リズム(がいじつりずむ)(サーカディアンリズム)の調整はメンタルヘルスに良いのか?

概日リズム(がいじつりずむ)とは、約24時間周期で繰り返される体内時計のことで、脳の視床下部にある「視交叉上核(しこうさじょうかく)(SCN)」が司令塔となっています。

① セロトニンが安定する

朝日を浴びると網膜から光情報が視交叉上核へ伝わり、脳幹の縫線核にあるセロトニン神経が活性化されます。

セロトニンは

  • 気分の安定

  • 不安の軽減

  • 意欲の維持

  • 衝動性の抑制

に重要な神経伝達物質です。

概日リズムが整うことで、セロトニン分泌も安定しやすくなります。

② メラトニン分泌が正常化する

朝の光を浴びると、約14~16時間後に睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されます。

その結果

  • 寝つきが良くなる
  • 深い睡眠が増える
  • 睡眠の質が向上する

といった効果が期待できます。

睡眠改善はうつ病や不安症の改善にも直結します。

③ ストレスホルモン(コルチゾール)が正常化する

健康な人では、

  • 朝にコルチゾールが高くなる
  • 夜になると低下する

というリズムがあります。

概日リズムが乱れると、

  • 日中の疲労感
  • 集中力低下
  • 不安感
  • 抑うつ気分

が生じやすくなります。

リズムを整えることでストレス耐性も向上します。

④ 自律神経のバランスが整う

概日リズムは自律神経とも密接に関係しています。

リズムが整うと

  • 日中は交感神経優位
  • 夜間は副交感神経優位

という理想的な状態になります。

その結果、

  • 動悸
  • めまい
  • 頭痛
  • 倦怠感

などの自律神経症状も改善しやすくなります。

⑤ 脳の感情調節機能が改善する

睡眠不足や概日リズムの乱れは、

  • 扁桃体(恐怖・不安)
  • 前頭前野(理性・判断)

のバランスを崩します。

その結果、

  • イライラしやすい
  • ネガティブ思考になる
  • 不安が強くなる

ことが知られています。

規則正しい生活は脳の感情コントロール機能を回復させます。

⑥ 炎症を抑える

近年、うつ病では慢性炎症が関与していることが分かってきました。

概日リズムが乱れると

  • IL-6
  • TNF-α
  • CRP

などの炎症性サイトカインが増加します。

一方でリズムが整うと炎症反応が抑えられ、脳機能の改善につながると考えられています。

まとめ

概日リズムを整えることで、

  • セロトニンが安定する
  • メラトニン分泌が正常化する
  • コルチゾールリズムが整う
  • 自律神経が安定する
  • 感情を司る脳機能が改善する
  • 炎症が軽減する

といった多面的な効果が得られます。

そのため、うつ病・双極症・不安症・睡眠障害の治療では、「毎日同じ時間に起きる」「朝日を浴びる」「食事時間を一定にする」といった概日リズムの調整が、薬物療法と並んで重要な治療戦略と考えられています。

 

 

 

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