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『漢方シリーズ 不眠症を漢方で治す』

今回は不眠症の薬物療法、漢方で不眠症を治す!!

「健康日本21報告書」によると、成人の23.1%に睡眠に関連した健康問題があり、14.1%が眠りを助けるために睡眠薬やアルコールを飲むことがあると示されております。
また「眠いときだけ床に入る」、「十分に眠れなくても毎朝同じ 時間に起きる」といった行動についての指導を受けた人について、睡眠薬を投与した場 合に負けないだけの治療成績が示されており 、このような日常生活における配慮だけでも、大きく睡眠障害の改善が見こめる。と書かれています。しかし分かっているけど眠れない、しかし睡眠薬は使いたくない、そのような方に一度漢方薬で睡眠覚醒リズムを強くする?!にチャレンジしてみては如何でしょうか?

睡眠障害 タイプ別に分けると

・入眠困難:寝つきが悪く、入眠まで時間がかかる

・中途覚醒:夜中に何度も目が覚め、その後なかなか眠れない

・早朝覚醒:通常より著しく朝早く目覚め、再び眠れない

・熟眠困難:睡眠時間は十分でも眠りが浅く、熟眠感がない

以上4タイプに分かれます。

睡眠障害の原因は心理的ストレス、身体疾患由来、生理学的要因、不適切な生活習慣、医薬品の副作用等多岐に渡ります。

 現在、治療の中心は「すぐに眠りにつけるようにする」という観点でGABA受容体作動薬(GABAの働きを強める薬)(ベンゾジアゼピン系薬剤、非ベンゾジアゼピン)が使用されておりますが、依存性や日中の眠気、倦怠感といった副作用も問題視されています。

最近の精神医学会ではGABA受容体作動薬→睡眠覚醒リズムを強くするメラトニン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬に変更するのが最新の考えとして浸透してきております。


体に優しい、副作用が少ない治療法?それは 漢方が得意な分野です。 !(^^)!
漢方は本人の証(体質) に合わせた治療法です!!(心身全体の調子を整えることで結果的に病気を治していくという考え方)

 漢方はイライラや不安などの精神的要因、疲労感や冷え、ほてりなどの身体的要因といった、眠りをさまたげる原因にはたらきかけ眠りの質を改善していきます。

 ・入眠困難
83番:抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ):精神症状により寝付けない

15番:黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)イライラが強い、身体がほてって眠れない

 ・中途覚醒

103番:酸棗仁湯(サンソウニントウ:)疲れすぎ、疲労感が顕著

49番:加味帰脾湯(カミキヒトウ)酸棗仁湯と比べても抑うつ、不安など精神症状がある

 ・早朝覚醒

49番:加味帰脾湯(カミキヒトウ)抑うつ、不安傾向、悪夢をよく見る

 ・熟眠障害型

72番:甘麦大棗湯(カンパクタイソウトウ)眠りが浅い、疲れがとれない

 

自身にあった漢方を選ぶことが何よりも重要です!!!

 

睡眠不足、不眠症により日中のパフォーマンスは低下してしまいます。

もしそれが運転中に起きたのであれば大変な事態を招きます。

眠りの質を上げていくためにも、東洋医学的な治療はいかでしょうか。



 

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