日々の診療で患者さんにしっかり睡眠時間を確保しましょうね!!と伝えていますが
逆に患者さんから「何時間くらい寝ればいいのでしょうか?」という質問が時々あります。
今回、その問いに一つのヒントを与えてくれる興味深い研究が報告されました。
米国の大規模疫学調査(NHANES 2017~2020)を用いて、成人4,000人以上の睡眠時間とうつ病との関連を解析したものです。
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結果は非常に示唆に富むものでした。
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睡眠時間とうつ病の関係は、単純な直線ではなく“U字型”を示しました。つまり、睡眠不足だけでなく、睡眠過多もまた、うつ病のリスク上昇と関連していたのです。「寝不足は良くない」というのは広く知られていますが、「寝すぎも良くない」という点は、改めて強調すべきポイントでしょう。
では、どのくらいの睡眠が理想なのでしょうか。
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今回の解析では
平日は7.5~7.8時間
週末は8.0~8.7時間が最もリスクが低い範囲とされました。
変曲点は平日約7.7時間、週末約8.3時間で、この付近が一つの目安になります。
さらに重要なのは
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「週内の睡眠リズムのばらつき」です。平日は短く、週末に長く寝る、いわゆる“寝だめ”の習慣は、一見健康的に思えるかもしれません。しかし、体内時計の観点から見ると、このリズムの乱れがメンタルヘルスに影響を及ぼす可能性が指摘されています。
また、本研究では男女差の存在も示唆されており、最適な睡眠時間は一律ではなく、個人差があることも忘れてはなりません。
私が日頃からお伝えしている「睡眠は時間と時間帯、そして質で考えるべき」という点です。
7~8時間という目安を持ちつつ、できるだけ毎日同じ時間に寝起き(特に起き上がる時間を一定にする)する。
この基本を整えるだけでも、気分の安定には大きな効果があります。
睡眠は薬に匹敵する“生活習慣療法”(特に双極性障害(躁うつ病)の方には重要)です。まずはご自身の睡眠を見直すことが、うつ病予防の第一歩になるかもしれません。
参考文献:Li H, et al. Int J Behav Med. 2025 Dec 19. [Epub ahead of print]

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