近年、肥満症治療において注目を集めているGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)
当院でも使用する機会が増えていますが、「やめるとリバウンドするのでは?」というご質問をよく受けます。そんな中、興味深い報告が米国から発表されました。
今回、米スクリップスクリニックの研究では
GLP-1RAで十分な減量に成功した後→完全に中止するのではなく「注射の頻度を減らす」という方法により、体重を維持できる可能性が示されました。対象となった患者は34人と小規模ながら、多くが体重を維持し、血糖値や血圧も良好な状態を保っていました。
特に注目すべきはBMIの推移です。治療前は平均BMI30と肥満の範囲でしたが、減量後には25前後まで低下し、その後注射頻度を2週間に1回、あるいはそれ以上に間隔をあけても、最終的には24台と正常範囲にまで改善していました。
つまり「週1回投与を続けなければならない」という規定概念に一石を投じる結果といえるでしょう。
ただし注意点もあります。この研究は後ろ向き研究であり、対象者も限られているため、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。また、体重が再増加した患者も一部存在し、その場合は元の週1回投与に戻す必要がありました。
さらに重要なのは、注射頻度を減らせた患者さんは、もともと生活習慣の改善や自己管理がしっかりできていた可能性が高いという点です。
薬だけに頼るのではなく、食事・運動・睡眠といった生活全体の質が、体重維持の鍵を握っていることを改めて示しています。
肥満症は「慢性疾患」です。そのため治療も一律ではなく、患者さん一人ひとりに合わせた柔軟なアプローチが求められます。今後は「減量後どう維持するか」というフェーズにおいて、GLP-1RAの使い方も個別化の時代に入っていくのかもしれません。
当院でも、減量後の維持期における投与方法については、患者さんと相談しながら最適なプランを一緒に考えていきたいと思います。
参考:Wong M, et al. Obesity (Silver Spring). 2026 Feb 24.

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