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5月病とADHD(注意欠如・多動症)

新年度が始まり、環境の変化に適応しようと頑張ってきた方が、5月の連休明け頃から心身の不調を感じる――いわゆる「5月病」は、毎年この時期に多くの方が経験されることだと思います。
気分の落ち込み、意欲低下、朝起きづらい、仕事や学校に行きたくない、といった症状が特徴です。
5月病は正式な診断名ではありませんが、適応障害軽度のうつ状態の方が多いと言われています。
また近年注目されているのが、5月病とADHD(注意欠如・多動症)との関係です
元々ADHD(注意欠如・多動症)がある方は5月病(抑うつ状態)になり易いという傾向は多くの論文で指摘されています。 

米国における成人ADHDの有病率と関連要因:全国併存疾患調査複製研究の結果 →米国の全国的な調査で、成人ADHD患者の18.6%が現在うつ病を併発しており、生涯罹患率で見るとさらに高くなる。
成人注意欠陥・多動性障害における精神疾患の併存:日常臨床現場における有病率とパターン→成人ADHD患者の生涯におけるうつ病罹患率が53%に達すると報告しています。

ADHDの特性を持つ方は、「新しい環境への適応」がそもそも苦手な場合があります。
例えば、スケジュール管理の難しさ、注意の持続困難、優先順位付けの苦手さなどが重なり、4月の緊張で何とか乗り切っていたものが、5月に入って一気に疲労として表面化することがあります。

特に大人のADHDでは、「頑張りすぎてしまう」傾向も見逃せません。
周囲に合わせようと無理を重ねた結果、ゴールデンウィークを境にエネルギーが切れ、急激な不調として現れるケースも少なくありません。
このため、「5月病が長引く」「毎年同じ時期に不調になる」といった場合には、背景にADHD特性が隠れている可能性も考慮する必要があります。

対策としては、まず“頑張り方を見直す”ことが重要です。
完璧を目指さず、タスクを細かく分ける、見える化する、周囲に相談するなど、環境調整が非常に有効です。また、必要に応じて専門医による評価や治療を受けることで、生活の質は大きく改善します。

5月病は「心が弱いから起こる」のではなく、環境と脳の特性のミスマッチから生じるものです。
現在ではADHDの症状を緩和するお薬があります。
少し立ち止まり、自分に合ったペースを取り戻すことが、この時期を乗り越える鍵になるでしょう。

  

ADHDそのものを治したい、不安や抑うつ気分、集中力低下、睡眠障害などご自身でストレス発散が出来ず2週間以上症状が続く場合は医療機関へのご相談をお勧めしております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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