前編では、「自分の心の流れに気づくこと」について述べました。
Aさんは、自分の中で起きていた流れに気づき始めていました。
「仕事でミスをした」
↓
「自分はダメだと思った」
↓
「気分が落ち込んだ」
↓
「人と話すのを避けた」
こうして見えるようになると、次に気づいたことがありました。
「最近、楽しいと思うことを全然していない」
以前のAさんは、仕事帰りに好きなカフェへ行ったり、休日に少し散歩をしたりしていました☕
でも最近は、
「そんな気分じゃない」
「元気になったらやろう」
そう思って、少しずつやめてしまっていました。
気持ちが落ち込むと、何もしたくなくなることがあります。
そして何もしなくなると、気分転換の機会も減って、さらに気持ちが落ち込んでいくことがあります。
まるで、ゆっくり坂道を下っていくような感じかもしれません。
認知行動療法では、こうした流れに対して「ほんの小さな行動」を大切にします🌸
これは「行動活性化」という考え方につながります。
難しく考える必要はありません。
例えば、
・5分だけ外に出てみる
・好きだった音楽を1曲聴く
・温かい飲み物をゆっくり飲む
そんな小さなことでも十分です。
「元気になったら動こう」
ではなく、「少し動いたら、少し気持ちが変わることもある」
そんな順番で考えてみる方法です。
Aさんも、休日に5分だけ近所を歩いてみることにしました。
すると大きな変化ではありませんでしたが、
「今日は少し空がきれいだった」☀️そんなことを感じました。
そして、もう一つ気づいたことがありました。
仕事でミスをしたとき、Aさんはすぐに、
「自分はダメだ」と思っていました。でも、少し考えてみました🍀
「本当にいつもダメなんだろうか?」
「うまくできていたことはなかったかな?」
「もし友人が同じことを言っていたら、自分は何と声をかけるだろう?」
すると、
「ミスはしたけれど、全部がダメなわけじゃない」
そんな別の見方もあることに気づき始めました。
これは認知行動療法でいう「認知再構成」という考え方につながります。
無理に前向きになることではありません。
落ち込んだ気持ちを否定することでもありません。
ただ、「ひとつの見方だけではないかもしれない」と、少し視野を広げてみることです。
心は急に変わるものではありません。
でも、小さな気づきや、小さな行動は、思っているより静かに心を動かしていくことがあります🌱
認知行動療法は、自分を変えるための特別な訓練ではなく、自分自身との付き合い方を少しずつ見つけていく方法なのかもしれません。
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