「笑う門には福来たる」ということわざがあります。いつも笑い声が絶えない家庭や人のもとには、自然と幸せや良い出来事が訪れるという意味です。昔から言い伝えられてきたこの言葉ですが、近年では医学的にも「笑い」が心と体の健康に良い影響を与えることが分かってきました。
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2026年にJournal of Psychiatric Research誌で報告された大規模なシステマティックレビュー・メタ解析では、33件のランダム化比較試験(RCT)が解析され、笑い療法がうつ病、不安、ストレスの軽減に有効であることが示されました。
結果を見ると、笑い療法を受けた人では、うつ症状、不安症状、ストレス症状がいずれも有意に改善していました。特に興味深いのは、「どのくらい笑えば効果が期待できるのか」という点です。
研究では用量反応解析が行われ、うつ症状に対しては累積約400分、不安症状に対しては累積約600分まで効果が高まり、その後は改善効果が緩やかになることが分かりました。
例えば週1回60分の笑いプログラムであれば、うつ症状では約7回、不安症状では約10回程度が一つの目安になる計算です。
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診療をしていると、うつ病や不安症の患者さんから「最近、心から笑った記憶がありません」という言葉を耳にすることがあります。気分が落ち込んでいるときは、笑うこと自体が難しくなります。しかし、無理に笑顔を作る必要はありません。好きなお笑い番組を見る、コメディ映画を楽しむ、家族や友人との会話を大切にするなど、小さな笑いの機会を増やすことが大切です。
笑い療法はなぜ効果があるの?
笑うことで脳内の
ⅰセロトニン(心の安定)
ⅱドーパミン(意欲・楽しさ)
ⅲエンドルフィン(幸福感)が活性化し、ストレスホルモン(コルチゾール)が減少すると考えられています。
笑い療法によって期待される効果
① ストレス軽減
② 気分の改善(うつ症状の軽減)
③ 不安の軽減
④ 人との交流促進
⑤ 睡眠や生活の質(QOL)の向上
もちろん、うつ病や不安症の治療は薬物療法や認知行動療法が基本ですが、「笑うこと」は副作用が少なく、誰でも日常生活に取り入れやすいセルフケアの一つです。
具体的な笑いの場として
ⅰお笑い番組を見る
ⅱ好きなコメディ映画を見る
ⅲ家族や友人と笑う時間を作る
ⅳ笑いヨガに参加する など
心が疲れているときほど、「笑う機会」を意識して作ることも大切です。笑いは決して万能薬ではありませんが、心の健康を支える大切な生活習慣の一つと言えるでしょう。
参考文献:笑い療法がうつ病と不安に及ぼす影響:用量反応メタ分析と試験逐次分析。

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