このニュースを、双極性障害(躁うつ病)の診療に長年携わってきた精神科医として大変歓迎しています。
リチウムは1950年代から使用されている歴史ある薬ですが、現在でも双極性障害治療の中心的な薬剤です。躁状態の改善だけでなく、再発予防効果や自殺予防効果についても多くの研究でその有効性が示されており、世界中の診療ガイドラインで高く評価されています。
当院でも、双極性障害の患者さんに対してリチウムを積極的に活用してきました。
もちろん、血中濃度の定期的な測定や腎機能・甲状腺機能の確認など、安全管理を徹底したうえで治療を行っています。その結果、多くの患者さんが気分の波を安定させ、仕事や家庭生活を維持できるようになっています。
※一部の医療機関でリチウム療法を行っていながら血中濃度確認を怠っているところがあるようで、医薬品医療機器総合機構(PMDA)は注意喚起しております。
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炭酸リチウム投与中の血中濃度測定遵守について
炭酸リチウムによる重篤なリチウム中毒と 血中濃度測定遵守について 2012.4.
妊娠可能年齢の女性に双極性障害は少なくなく、妊娠を希望される患者さんも多くいらっしゃいます。しかし「禁忌」という表現があることで、治療継続に大きな不安を抱く方も少なくありませんでした。
今回の改訂は、「妊娠中でも無条件に使用してよい」という意味ではありません。しかし、最新の医学的知見を踏まえ、リスクとベネフィットを総合的に判断できる時代になったことを示しています。実際には、治療を中断することによる病状悪化(再発)リスクが母体や赤ちゃんに与える影響も決して小さくありません。
私は今回の改訂を、「リチウムの危険性がなくなった」という話ではなく、「リチウムの持つ大きな価値が改めて評価された出来事」だと考えています。
これからも当院では、科学的根拠に基づいた適切な血中濃度管理を行いながら、患者さん一人ひとりの人生設計や希望に寄り添った双極性障害治療を提供していきたいと思います。
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炭酸リチウム(リーマス)は、世界各国の双極性障害治療ガイドラインで最もエビデンスの豊富な気分安定薬の一つとして位置づけられています。特に「再発予防」と「自殺予防効果」において高く評価されています。
リチウムは数ある気分安定薬の中でも、
✔ 躁状態を改善する
✔ うつ状態への効果も期待できる
✔ 再発予防効果が非常に高い
✔ 自殺リスクを低下させる
✔ 50年以上の使用実績がある
という特徴があります。
特に自殺予防効果については、多くのメタ解析で「リチウム投与群は自殺率が有意に低い」ことが示されており、これは他の気分安定薬にはない大きな特徴です。
炭酸リチウムは単なる「昔からある薬」ではありません。現在でも世界各国の双極性障害治療ガイドラインで第一選択薬として推奨されており、再発予防と自殺予防の両面で最も信頼できる治療薬の一つです。適切な血中濃度管理を行うことで、その恩恵を最大限に生かすことができます。

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