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ヤーズ(LEP:月経困難症治療薬)を続ける?HRT(ホルモン補充療法)に切り替える?ほてりや寝汗がつらくなった方へ更年期の治療を考える

ヤーズ(LEP)からホルモン補充療法(HRT)への切り替え

月経困難症の治療でヤーズ(LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬))を服用している方から、月経痛は楽になったけれど、「最近は顔のほてりや汗がつらい」「寝汗で目が覚める」という相談を受けることがあります。
45歳過ぎの方であれば更年期に伴う女性ホルモンの変動が関係している可能性があります。

ヤーズ(LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬))は排卵を抑え、月経痛を軽減するお薬です。女性ホルモンのエストロゲンが含まれているので更年期症状を和らげることもありますが、ホットフラッシュが続き、睡眠や生活に支障がある場合には、年齢や月経の状態、持病などを確認し、ホルモン補充療法(HRT)への切り替えをご提案します。

ここで、両製剤のエストロゲンを比較してみましょう。

製剤 エストロゲンの種類 製剤に含まれる量
ヤーズ エチニルエストラジオール 実薬1錠に 0.02mg
エストラーナテープ0.72mg エストラジオール テープ1枚に 0.72mg 
通常2日ごとに交換

両者の製剤に含まれる女性ホルモン量の数字は、0.02mgから0.72mgと大きく違いがあります。
ただし、ホルモンの種類も、飲み薬と貼り薬という吸収経路も異なります。
テープの全量が体内に吸収されるわけでもないため、「エストロゲンが36倍になる」「作用が強くなる」という意味ではありません。HRTは、量の数字を増やすことではなく、更年期の体に合った方法でホルモンを補う治療です。

女性ホルモン補充療法(HRT)はエストラーナでエストロゲンを補い、子宮のある方にはエフメノなどの黄体ホルモンを組み合わせ、子宮内膜の過剰な増殖を防ぎます。

ヤーズにそのまま追加するのではなく、医師の管理のもとで切り替えることが大切です。女性ホルモン補充療法(HRT)は月経困難症の治療をそのまま代替するものではなく、月経痛の再燃や出血の変化にも注意します。また、避妊効果はありません。

乳がんや血栓症の既往などを確認し、効果とリスクを共有して治療を選びます。ホットフラッシュなど更年期障害の症状で辛い症状があるなら 我慢せず今の体に合う治療を一緒に考えていきましょう。

ヤーズ(LEP)からHRTへの移行のポイント

 

ポイント 気をつけること
① 切り替えの必要性を確認する ホットフラッシュ・寝汗が実薬服用中にもあるのか、偽薬期間に集中するのかを確認。年齢、喫煙、血圧、肥満、片頭痛、血栓症リスクも再評価します。
② 服用中の採血だけで閉経を判断しない ヤーズはFSH・LH・内因性エストラジオールを抑制するため、服用中や短い休薬期間の検査値では閉経を正確に判定できません。 出血も消退出血なので、出血の有無だけでは判断できません。
③ ヤーズとHRTを重ねない 原則としてヤーズを終了し、HRTへ切り替えます。最終実薬日とHRT開始日を明確にし、不必要な重複や長い空白期間を避けるよう個別に計画します。
④ 避妊を別に考える HRTには避妊効果がありません。 排卵が再開する可能性があるため、妊娠の可能性がある方には別の避妊方法が必要。
日本のヤーズの承認適応は月経困難症です。
⑤ 月経痛・過多月経の再燃に注意する HRTはヤーズと同じ排卵抑制治療ではありません。子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮筋腫などの有無を確認し、痛みや出血が再燃した場合は婦人科で治療を再検討します。
⑥ 子宮内膜保護と投与方式を選ぶ 子宮がある方には、原則として黄体ホルモンを併用します。
閉経移行期では周期的投与、閉経後では持続的併用を検討します。ヤーズ服用中の無月経を、そのまま「閉経後」と扱わないことが大切です。
⑦ 開始前と開始後に評価する 乳がん・血栓症・重い肝疾患の既往、原因不明の性器出血などを確認。開始後は症状、血圧、乳房症状、頭痛、出血を評価し、通常は約3か月で治療内容を見直します。
大量出血や持続する出血は早めに婦人科評価が必要。

 

 

 

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