トップ  > 病院長ブログ  > 抗うつ薬は最初の2週間が大切?「20%改善」が治療の目安になる理由

抗うつ薬は最初の2週間が大切?「20%改善」が治療の目安になる理由

うつ病の治療では、「抗うつ薬は効果が出るまでに数週間かかる」と説明されることがあります。確かに十分な治療効果を判断するにはある程度の期間が必要ですが、最近では、治療を始めて最初の2週間にどのくらい症状が変化したかも大切だと考えられています。

その指標の一つが、Early Partial Improvement(EPI:早期部分改善)です。

EPIとは、抗うつ薬を開始して約2週間後に、治療前と比べてうつ症状が20%以上改善している状態をいいます。

ここでいう「20%改善」とは、単に「気分が2割良くなった」という意味ではありません。気分の落ち込み、意欲の低下、不安、睡眠、食欲、集中力、疲れやすさなど、うつ病にみられるさまざまな症状を総合的に評価して、全体として約20%以上改善しているかを確認します。

この早期の改善がみられる患者さんでは、その後さらに症状が改善し、治療反応や寛解につながる可能性が高いことが、これまでの研究で報告されています。つまり、抗うつ薬を飲み始めて「1~2か月間、とにかく待ってみる」のではなく、まず2週間の時点で治療効果を確認することが重要なのです。

一方、2週間たってもほとんど変化がない場合でも、「この薬は効かない」とすぐに判断するわけではありません。きちんと服薬できているか、薬の量は適切か、睡眠や生活リズムはどうか、強いストレスや他の病気が隠れていないかなどを再確認します。そのうえで、必要に応じて薬の量の調整や変更、他の治療法の追加などを検討します。

「2週間で20%改善しなければ必ず薬を変更する」という意味ではありません。EPIはあくまで、その後の経過を予測する一つの参考指標です。

アイさくらクリニックでは、患者さんの「少し良くなった」「あまり変わらない」という感覚だけではなく、SDS、QIDS -J、PHQ-9などを用いて症状を数値化し、治療効果を確認するMBCMeasurement-Based Care:測定に基づく治療を実践し重視しています。

抗うつ薬治療では、「まず最初の2週間でどれくらい良くなったか」を患者さんと一緒に確認しながら、その後の治療方針を考えていくことが大切です。

 

 

 

 

メニュー

ジャンル

〒 810-0001

福岡市中央区天神1丁目2-12 メットライフ天神ビル4階 (2016年10月1日から天神122ビル→メットライフ天神ビルに変更 2017年10月1日で併記(移行)期間終了)

TEL:092-738-8733